#74 6月29日(月) 相場レポート

株式市場動向

6月29日の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇し、いずれも5日間にわたる連続下落を止めました。先週に大幅な売りを浴びていたハイテク株やメガキャップ銘柄である「マグニフィセント・セブン」が反発したことが、市場全体の心理を好転させる主要なマクロ要因となりました。ダウ工業株30種平均は前日比306.63ドル高、率にして0.59%の上支えを伴う52,182.74ドルで取引を終え、史上初めて52,000ドルの大台を突破して過去最高値を更新しました。S&P 500種株価指数は86.41ポイント、率にして1.18%高い7440.43ポイントで引け、ナスダック総合指数は522.53ポイント、率にして2.07%高い25820.14ポイントで終了しました。

    セクター別の傾向としては、半導体株の強さが際立っています。フィラデルフィア半導体指数は当日3.53%上昇し、今年これまでの累計上昇率は88%に達しており、これは1999年のドットコムバブル以来で最高のペースとなっています。この背景には人工知能向けデータセンターインフラや高帯域幅メモリーに対する膨大な需要があります。一方で、人工知能への巨額投資を担うハイパースケーラーなどの巨大IT企業群であるマグニフィセント・セブンは、支出の多さがフリーキャッシュフローを圧迫するとの懸念から投資家が警戒しており、今年に入ってから4%下落と苦戦が続いています。ネド・デービス・リサーチのアナリストであるパット・チョシック氏とフィリップ・ムルス氏は、半導体株とマグニフィセント・セブンの26週間ローリング相関関係が2021年後半以来の低水準にまで低下している事実を指摘しました。この相関の乖離は過去に市場の天井形成期と一致していたため、現在の人工知能トレードの持続可能性に注意を促しています。

    また、小型株で構成されるラッセル2000指数は前週の金曜日に過去最高値を更新し、今年これまでに20%以上上昇して5四半期連続のプラス圏を維持する見通しです。ラッセル2000指数は大型株に対して2026年上半期に1400ベーシスポイント近くアウトパフォームしており、これは過去30年以上で最大の上半期の格差となります。しかし、ジェフリーズのストラテジストであるスティーブン・デサンクティス氏がラッセル2000指数の目標値を3,190に引き上げるなど強気な見方がある一方で、実際の投資家の資金配置は追いついていません。BofAセキュリティーズのデータによると、小型株に特化した上場投資信託などからは今年これまでに約68億ドルの資金が流出しており、同社のストラテジストであるジル・ケアリー・ホール氏は、マルチキャップファンドマネージャーによる小型株の保有比率が依然として大幅なアンダーウェイト状態にあると分析しています。さらに、市場全体に対してバンク・オブ・アメリカのテクニカルリサーチ責任者であるポール・シアーナ氏は、現在のラリーに惑わされず防衛的な姿勢を保つよう求めており、今後数ヶ月の間に3波の調整パターンを経て、S&P 500種株価指数が現在の水準から約7.6%低い6,850ポイントまで下落するリスクがあると警告しています。

    東京株式市場では、日経平均株価が前週末の米国株安を受けて、朝方は反発を狙った買いが先行し、前週末比250円ほど高い69,609円88銭で取引を開始しました。しかし、ネガサのAI半導体関連株を中心に売りが相次いで失速するとマイナス圏に沈み、前場には下げ幅を1,300円以上に広げて一時68,000円の大会を割り込む場面もありました。後場に入ると、韓国総合株価指数がプラスに切り返したことなどをきっかけに急速に下げしぶる展開となり、大引きは前週末比107円23銭高の69,468円11銭と反発して終了しました。

    TOPIXやJPX日経インデックス400も後場にプラス圏へ浮上して反発し、東証グロース市場250指数は2.9%高と大幅な反発を記録しました。東証プライム市場の売買代金は概算で9兆8,947億円に達し、値上がり銘柄数は1,027、値下がり銘柄数は484となり、全体の約6割の銘柄が値を上げました。4-6月期の四半期末や半期末を控えたリバランス目的の売り買いが交錯する中、これまで市場を牽引してきたAI半導体株から、出遅れていたソフトウェア、ゲーム、知的財産関連、消費関連などの非AI株へと資金がシフトするポジション解消の動きが顕著となった一日でした。

    為替・金利・コモディティ

    【為替市場】

    外国為替市場では、円が対ドルで歴史的な急落を記録し、一時1ドル=161円98銭と1986年12月以来およそ40年ぶりの安値水準を付けました。2024年7月に記録した161円95銭のラインを突破した背景には、米連邦準備制度理事会のタカ派姿勢が維持されるとの観測に加え、中東でのイラン戦争における停戦プロセスの難航から、安全資産とされるドルを買う動きが強まったことがあります。円安の進行は日本の輸出企業の利益を押し上げ、国内株価を最高値圏に導く一因となっているものの、ドル建てで取引される原油や天然ガスなどの輸入コストを膨らませ、食品からガソリンにいたる広範な物価高を通じて消費者心理を冷やす要因となっています。 日本政府の対応として、財務大臣の片山氏は6月19日、過度な投機的動きに対して大胆な行動をとる用意があると改めて表明しました。片山氏は米国の財務長官スコット・ベセント氏との会談を経て、日米両国が為替政策において足並みを揃えており、必要に応じて大胆な措置を講じることで合意したと説明しています。日本の財務省のデータによると、当局は円が1ドル=160円を突破した後の4月28日から5月27日までの期間に、過去最大となる11兆7300億円、または725億ドルの巨額な市場介入を実施しており、この原資として保有する米国債などの外国証券を取り崩したとみられています。

      【金利動向】

      米国の債券市場では、長期金利の指標となる10年物米国債利回りが前日比0.01%高い4.38%で推移しました。足元ではインフレへの警戒感が根強く、市場では調整が進んでいます。 また、米国の株式市場における資金調達ニーズの急増が、短期金融市場の金利を押し上げるリスクとして浮上しています。S&P 500トータルリターンインデックスに連動する7月物の先物コントラクトの調達コストは6月26日に200ベーシスポイントに達し、5月の平均である62ベーシスポイントから急騰しました。これはスペースXによる巨額の新規株式公開やレバレッジ型上場投資信託の急速な拡大により、投資家のレバレッジ需要が拡大し、銀行やディーラーのバランスシートの許容量が圧迫されているためです。バンク・オブ・アメリカのストラテジストであるエレノア・シャオ氏とマーク・カバナ氏は、株式市場での調達コスト高止まりが続けば、ディーラーが資金枠を債券市場から株式市場へシフトさせるため、レポ金利などの短期金利が四半期末の圧力を超えて上昇し、中央銀行のバランスシート選択や財務省の短期債発行戦略にまで影響を及ぼす可能性があると顧客向けノートで警告しました。

      【コモディティ市場】

      コモディティ市場では、原油先物価格が上昇し、ブレント原油先物が前日比1.2%高い1バレル=72.85ドル、ニューヨーク商業取引所のWTI原油先物が前日比1.8%高い70.50ドルで引けました。米国とイランが攻撃を一時停止することに合意したとの報道を受け、一時の急騰から上昇幅を縮小したものの、依然として地政学的な供給不透明感が意識されています。一方でマレックスのグローバル・エマージング・マーケット責任者であるマシュー・ボーゲル氏らのデータによると、原油価格が今月全体で5分の1以上下落したことで、市場では石油輸出国の国債を売り、エネルギー価格下落の恩恵を受けるケニアやコンゴ民主共和国などの石油輸入国の国債へと資金をローテーションさせる動きが進んでいます。 ニューヨークのココア先物市場は、今月の下落トレンドから一転して3週連続で上昇し、月間で25%の急騰を記録する勢いです。世界最大の生産国であるコートジボワールにおいて、次期シーズンである9月開始のカカオの実の生育状況が過去数十年で最低レベルに落ち込んでいることが理由です。トレーダーらへの調査によると、生産量の予測値は今シーズンの約220万トンから約180万トンへと約5分の1減少する見通しです。コモディティ証券会社マレックスの農業販売責任者ジョナサン・パークマン氏や、作物情報プラットフォームであるCropGPTの報告によると、4月と5月に西アフリカを襲った記録的な大雨による地面の過度な湿気が黒莢病などの病害リスクを高めているほか、今後はエルニーニョの発生に伴う熱風が収穫にさらなる打撃を与える懸念が強まっています。 シカゴの穀物先物市場では、トウモロコシ先物である12月配達物が前日比2.5%下落し、1ブッシェル=4.305ドルと契約最安値を更新しました。米国農務省が発表を予定している四半期在庫報告において、1988年以来で最大となる米国産トウモロコシの過剰在庫が示されるとの見方が根強く、市場の弱気センチメントを誘導しました。大豆先物は1.4%下落の11.405ドル、小麦先物は1.3%下落の5.8225ドルで引けました。米国農務省は13万6000トンの米国産大豆が未知の目的地へ売却されたと発表したものの、期待されていた中国向けの新たな大口契約の開示はありませんでした。

      マクロ環境・政策動向

      【地政学リスク・外交】

      中東情勢を巡り、ドナルド・トランプ米大統領はソーシャルメディアにて、イラン側からの要請により火曜日にカタールの首都ドーハで両国の実務者会談が再開される予定であると発表しました。この協議は双方が当面の攻撃を停止し、世界の石油および天然ガスの5分の1が通過するホルムズ海峡の自由航行を無条件で維持するための中間合意の履行を目的としています。しかしイランのガリババディ外務次官は国内テレビで、米国側との直接会談の予定はなくカタールによる仲介を通じた実務協議であると説明したほか、オマーン側に対してホルムズ海峡の航行ルート管理権を譲らない姿勢を強調し、船舶への手数料徴収を含めた権限誇示を続けており、米国のマルコ・ルビオ国務長官が手数料の支払いは受け入れられないと反発するなど、火種は残っています。 ロシアの同盟国であるベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ウクライナ戦争への直接的な軍事介入を深めるよう求めるロシア側からの圧力に抵抗しています。ルカシェンコ氏は週末にウラジーミル・プーチン大統領の邸宅で2日間にわたり会談したほか、北京で中国の習近平国家主席とも会談し、中国から主権と領土の保全への強固な支持を取り付けることで、ロシアへの過度な依存を牽制し政権の維持を図る外交を展開しています。 欧州連合の通商担当トップであるマロシュ・シェフチョビッチ氏と中国の王文涛商務部長はブリュッセルで会談し、昨年に3600億ユーロ、または4100億ドルに達した欧州連合側の対中通商赤字や、中国による重要鉱物の輸出規制といった貿易摩擦を解決するため、10月15日の欧州連合首脳会議を期限とする集中的な作業部会を設置することで合意しました。

        【金融政策】

        米連邦最高裁判所は、トランプ大統領が昨年8月に未証明の住宅ローン詐欺疑惑を理由に電撃解任した連邦準備制度理事会理事の Lisa Cook 氏について、5対4の判決で訴訟中の職務続行を認める決定を下しました。最高裁のジョン・ロバーツ長官とブレット・カバノー判事がリベラル派判事3人と共に多数派を構成し、トランプ政権が Cook 氏に対して十分な事実説明や反論の機会を与えずに Truth Social などのソーシャルメディア上で辞任を要求した手続きの瑕疵を厳しく批判しました。最高裁は、十分な証拠や弁明の手続きなしに解任を認めれば、議会が定めた14年の任期と正当な理由による解任の保護規定が有名無実化し、政治的干渉から隔離されてきた中央銀行の独立性が根本から破壊されると判示しました。5月に就任したケビン・ウォーシュ連邦準備制度理事会議長のもとでタスクフォースの設置など組織改革が進む中、トランプ氏は判決を単なる手続き上のものと一蹴し、即座に再解任に向けた適切な行動をとると表明しています。 欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、ポルトガルのシントラで開幕した年次フォーラムの演説で、欧州経済は銀行規制の強化やグリーンエネルギー移行の進展により、外部からの供給ショックやトランプ政権による関税攻撃に対する経済的な耐性を大幅に向上させていると総括しました。ラガルド氏は、インフレ率が6月に3.0%へ減速するとの予測に触れつつ、6月の利上げはデータに基づいた強固な判断であり、保険としての利上げではないと言明し、執行理事のイザベル・シュナーベル氏らが唱える追加利上げの必要性については慎重にリアルタイムの経済データを検証していく姿勢を示しました。

        【制度・政策】

        米連邦最高裁判所は、行政国家の法的基盤となっていた91年前の Humphrey’s Executor 判例を6対3の判決で完全に覆しました。ジョン・ロバーツ長官が執筆した多数派意見は、憲法上すべての行政権は大統領に帰属するため、連邦取引委員会などの独立規制機関の委員は大統領の部下であり、政策的な方向性の違いを理由に原因の提示なしに罷免できると結論付けました。これにより、トランプ氏が2025年3月に原因を示さず罷免した民主党のレベッカ・ケリー・スローター連邦取引委員会委員の解任が合法と認められ、証券取引委員会や全米労働関係委員会を含む約20のすべての独立機関が事実上大統領の直接統制下に置かれることになります。ソニア・ソトマイヨール判事らリベラル派は、政府のチェック・アンド・バランスの仕組みを破壊しアメリカ国民の生活に関する権限を大統領1人に集中させる危険な判決であると強い懸念を示しました。 国防総省の1260Hリスト、すなわち中国軍事関連企業ブラックリストに基づく新たなロビー活動規制法が火曜日から施行されることに伴い、ワシントンの大手ロビー会社が中国のテック大手との契約を相次いで打ち切る動きに追われています。この新法は、1260Hリストに指定された企業を代表するロビイストが所属する会社に対し、米国国防総省および防衛産業との取引を全面的に禁止する極めて厳格な内容です。これにより、Brownstein Hyatt や Mercury Public Affairs などの有力法律事務所やロビーファームは、防衛産業ビジネスを維持するためにアリババやテンセントの代理人登録を抹消する開示資料を提出しました。アリババは指定の不当性を訴えてカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に国防総省を提訴しています。 米連邦最高裁判所は、オケロ・チャトリー氏の公判を巡り、警察が特定の犯罪現場周辺に存在した携帯電話の位置履歴データを一括してIT企業に要求するジオフェンス令状の使用について、6対3の判決で憲法修正第4条が保護する捜索に該当し、原則として裁判所の令状が必要であるとの判断を下しました。 南アフリカでは、外国人排斥を掲げる団体が設定した不法移民の退去期限である6月30日を前に、警察当局が全国に2万5000人の人員を配備する厳戒態勢を敷きました。国内の移民数が300万人以上に達する中、雇用や行政サービスの逼迫に対する地元住民の不満が背景にあります。シリル・ラマポーザ大統領は移民制度改革の必要性を認めつつも、暴力を容認しない姿勢を明言しています。 ペルーの選挙管理庁は、6月7日に行われた大統領選挙決選投票の最終集計結果を発表し、保守派のケイコ・フジモリ氏が50.14%の得票率を獲得し、左派のロベルト・サンチェス氏である49.87%を4万9641票の僅差で破って初当選したと発表しました。これによりフジモリ氏はペルー史上初の女性大統領として7月28日に就任します。

        米国個別銘柄動向

        【テクノロジー・通信】

        ・Alphabet Inc. (GOOGL):株価は3%以上高、 preliminary closing データでは3.7%高の350.24ドルで引けました。ベライゾンに代わってダウ工業株30種平均に構成銘柄として採用された初日のセッションとなり、インデックスファンドなどの買い需要を背景にハイテク株全体の反発を主導しました。また、傘下の Waymo がフェニックスにおいて展開していた Uber とのロボタクシーおよびフードデリバリーに関する共同パイロットプログラムを終了し、車両を DoorDash などの別の運用へ回したことが明らかになりました。

          ・Verizon Communications Inc. (VZ):株価は5%以上、 preliminary closing データでは7.8%下落の42.03ドルと大幅に下落しました。ダウ工業株平均の除外銘柄となった最初の取引日であることに加え、Comcast のスピンオフ発表による通信業界全体の環境変化が売りを誘いました。また、英国の通信大手BTグループとの間で、国際ワイヤライン接続およびmanagedネットワークサービス事業を統合する40億ドル規模の合弁会社設立に合意し、これに伴う第2四半期の損失計上見通しを証券取引委員会への提出書類で公表したことも重荷となりました。

          ・Comcast Corp. (CMCSA):株価は4%上昇しました。ブロードバンドや接続性を中心とするコア事業と、メディア・エンターテインメント事業である NBCUniversal および Sky を税金のかからない形で分離し、独立した上場企業を設立する計画を正式に発表したことが、投資家から事業価値の再評価につながり好感されました。

          ・Charter Communications Inc. (CHTR):株価は当日の取引で一時26%と過去最大の急騰を記録し、高利回り債市場でも2033年満期の7%額面債券が1ドルあたり4.125セント上昇しました。ブロードバンド大手のライバルである Comcast のメディア事業分離を受け、将来的に両社のネットワーク・接続性部門が統合へ向かうとの思惑が浮上したことや、スペースXとの間で消費者向けモバイルサービスでの提携に向けた幹部級の協議が行われているとの報道が材料視されました。

          ・Strategy (MSTR):株価は朝方の取引で3%上昇しました。ビットコイン価格が6万ドルを割り込んだことに伴い、同社の株価および普通株対比の純資産価値が1倍を割り込み優先株が急落したため、最大10億ドルの優先株買い戻し、最大10億ドルのクラスA普通株の買い戻し、および最大12億5000万ドルの現金を確保するためのビットコイン売却を含む包括的な事業再生計画を発表しました。同社は現在、約500億ドル相当にあたる847,363ビットコインを保有しており、優先株の配当支払いや利息を賄うために保有ルールを転換しました。また、優先株の配当率を12%に引き上げることも公表しました。

          ・Super Micro Computer Inc. (SMCI):台湾の検察当局および捜査員により、現地オフィスが家宅捜索を受けました。米国政府による中国への高度人工知能チップの輸出規制を回避し、同社製のサーバーを偽装書類等を用いて日本や他のルート経由で中国へ密輸・横流ししていた疑いに関する捜査が拡大したためです。当局は関連する個人6名の自宅や関係会社3社を同時に捜索しました。

          ・TPx Communications (ティッカーなし):プライベートエキティファンドのシリス・キャピタル・グループが支援するテクノロジーソリューションプロバイダーです。正式名は U.S. TelePacific です。過度な債務負担により利払い猶予を受けていましたが流動性の枯渇を克服できず、テキサス州の連邦破産裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請しました。保有する11億ドルの funded debt のうち、アポロ・グローバル・マネジメント等の債権者団との間で約10億ドルの債務削減を行う再建・売却計画を進めるとしています。

          ・Dish DBS (ティッカーなし):チャーリー・エルゲン氏のEchoStarグループ傘下のサテライト有料テレビ放送サービスプロバイダーです。多額の負債と加入者の減少に苦しむ中、連邦通信委員会から2GHz帯における5Gネットワークの構築義務違反に関する審査を受けており、無線ライセンスを失うリスクに直面しています。これに伴い、法律事務所ホワイト・アンド・ケースなどの顧問団を指名し、早ければ火曜日にも連邦破産法第11条の適用を申請する準備を進めていることが関係者の話で判明しました。

          【金融】

          ・Morgan Stanley Direct Lending Fund (MSDL):同ファンドは、既存の Truist Financial Corp. や BNP Paribas SA が提供するリボルビング信用供与枠などの債務をリファイナンスするため、総額3億5000万ドルの5年物投資適格社債の発行手続きを開始しました。

          ・Bank of America Corp. (BAC):同行は、傘下のメリルリンチ証券が2020年4月から2024年9月までの間、内部の自動化プログラムが20以下の低スコアと判定したイベントについて詳細な調査を怠り、多数の疑わしい取引活動報告書を適切に提出しなかったとする米証券取引委員会の指摘に対し、750万ドルの制裁金を支払うことで和解に合意しました。

          ・HDFC Bank Ltd. (ティッカーなし):インド最大の民間銀行です。3月にアタヌ・チャクラボルティ前会長が同行のガバナンスや不適切な金利優遇慣行に疑問を呈して突如辞任し、市場価値が大幅に下落した混乱を収拾するため、元財務秘書官であり中央選挙管理委員長を務めた Rajiv Kumar 氏を3年任期の非常勤会長および独立取締役として招聘・任命することを発表しました。

          【エネルギー】

          ・Sable Offshore Corp. (ティッカーなし):株価および債券の発行において、JPMorganが幹事を務める7億7500万ドルの leveraged loan の投資家募集期間が、期限を過ぎても需要不足により難航していることが明らかになりました。同行はカリフォルニア州での法廷闘争を経てトランプ大統領の特別権限行使により約10年ぶりに掘削を再開したものの、市場の需要が鈍く、当初の10億ドル計画から募集規模を減額したほか、Exxon Mobil に対するつなぎ融資期限の延長のために3000万ドルの追加支払いを余余儀なくされています。

          ・Duke Energy Corp. (DUK):同行は、2022年に1億2900万ドルで取得したノースカロライナ州沖のカロライナ・ロング・ベイ・エリアにおける1.6ギガワット規模の洋上風力発電開発リース権について、トランプ政権が進めるクリーンエネルギー抑制および新規風力発電ブロック方針に従い、米内務省との合意に基づき契約を自主的に解約・返上することを決定しました。同行は同額を他の発電容量に投資する方針です。

          日本個別銘柄動向

          【情報・通信・半導体】

          ・ソフトバンクグループ (9984):出資先であるOpenAIのIPO延期観測報道や、前週末の米国市場でのアームの株価下落(3.8%安)が逆風となり売りが先行し、株価は5%を超える下落となりました。

          ・キオクシアホールディングス (285A):前週末の米国市場における半導体株安や同業のサンディスクの急落(10%安)を受けて大幅に続落しました。当日の値幅は約1万1,000円と激しい値動きになり、一時は82,800円まで売り込まれる場面もありました。

          ・東京エレクトロン (8035):半導体関連株の多くが軟調となる中で逆行高を演じ、1銘柄で日経平均株価を約150円押し上げ、1.7%高の高値引けとなりました。

          ・太陽誘電 (6976):積層セラミックコンデンサー(MLCC)関連として、足元の調整局面からの買い戻しが急流入し、株価は10%を超える大幅な上昇を記録しました。

          ・日本システム技術 (4323):上限200万株・25億円の自社株買いを7月から実施すると発表したことが好感され、株価はストップ高水準近辺まで急上昇しました。

          ・U-NEXT HOLDINGS (9418):TBSホールディングスとの資本業務提携を発表しました。社長保有株式の多くをTBSへ売却することや、動画配信サービス「U-NEXT」のラインナップ強化、映像コンテンツの連携などが材料視され、株価は大幅高となりました。

          【機械・造船・防衛】

          ・三菱重工業 (7011):大型ガスタービンの生産能力を2030年度に2024年度比で2倍に引き上げる計画(約1,000億円を日米の拠点に投資)が報道され、中長期的な収益拡大への期待から株価は3日ぶりに反発しました。

          ・川崎重工業 (7012):欧州航空大手のエアバスと防衛用無人機ドローン分野で技術提携し、対潜水艦作戦向けシステム等を搭載した機体を日本の防衛省へ提案する方針が報道され、防衛関連株としての側面から株価は反発しました。

          【小売・消費関連】

          ・DCMホールディングス (3050):2026年3-5月期の連結決算において、営業利益が前年同期比約17%増の114億円、純利益が12%増の65億円となったことを発表しました。中等情勢悪化に伴う日用品のまとめ買い特需や、エアコン・夏物作業衣料の好調が寄与し、株価は上昇しました。

          ・J.フロント リテイリング (3086):シンガポールの投資ファンド「3Dインベストメント・パートナーズ」による保有比率が5.1%から6.35%に引き上げられたことが判明したほか、インバウンドや高額商品の需要好調も背景に、連日で上場来高値を更新しました。

          ・ハイデイ日高 (7611):3-5月期の単独営業利益が前年同期比1割増の20億円前後となり、3年連続で同期間 of 最高益を更新した模様であると報道され、株価は3%の上昇となりました。

          ・象印マホービン (7965):2026年11月期中間(12-5月期)の連結決算において、売上高が前年同期比2.2%増の512億円、営業利益が7%増の52億円、純利益が3.9%増の35億円となったことを発表しました。価格転嫁の進展などが寄与し、株価は4日続進しました。

          ・しまむら (8227):2027年2月期第1四半期の連結決算において、売上高が前年同期比7.9%増の1,816億円、営業利益が16.8%増の178億円、純利益が19%増の128億円と、市場予想を上回る増収増益となったことを発表し、株価は反発しました。

          ・イオン (8267):食品消費税1%引き下げ案への期待や、4-6月期末に伴う出遅れ株の買い戻しの流れから買いが優勢となり、株価は5%を超える大幅な上昇をみせました。

          【サービス】

          ・価格.com (2371):LINEヤフーと米投資ファンドのベインキャピタルが共同で買収(TOB)を正式に提案する方針であると報道されました。5月に欧州ファンドのEQTが提示した1株3000円の買収案に対抗する動きとして注目され、株価は上昇しました。