#3 4月16日(木) 日本市場レポート

1. 株式市場動向

2026年4月16日の東京株式市場において、日経平均株価は大幅に3日続進し、終値は前日比1,384円10銭高の59,518円34銭となりました。これは2024年2月27日以来、約1ヶ月半ぶりに史上最高値を更新したことになります。取引時間中には一時1,500円近く値上がりし、59,569円まで上昇する場面も見られました。東証株価指数(TOPIX)も3日続進し、1.2%超の上昇となりました。東証グロース市場250指数は1.9%上昇し、年初来高値を更新しています。

市場の背景には、前日の米国市場でナスダック総合株価指数が11日続進し、S&P500とともに過去最高値を更新した流れがあります。特にエヌビディア(NVIDIA)などのハイテク株が上昇したことで、東京市場でも半導体関連株やソフトバンクグループなどの主力株に幅広い買いが先行しました。また、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が進展するとの期待から、投資家のリスク許容度が高まったことも指数を押し上げる要因となりました。

財務省が発表した対内証券売買契約状況によると、4月第2週の海外投資家による日本株の買い越し額は約4兆円(3兆9,433億円)に上り、過去最大規模の買い越しを記録しています。一方、個人投資家は3週連続の売り越しとなりました。

アジア市場全般でも堅調な動きが目立ちました。韓国総合株価指数は2%超、台湾加権指数は1.1%上昇し、台湾は連日で過去最高値を更新しました。また、午後に発表された台湾のTSMC(台湾積体電路製造)の好決算を受け、国内の半導体製造装置関連銘柄には一段と買いが入る展開となりました。


2. 為替・金利・コモディティ

【為替市場】

ドル円相場は、1ドル=158円台後半を中心とした小動きとなりました。朝方、片山財務大臣による円安牽制発言を受けて一時的に円買い・ドル売りが進む場面もありましたが、限定的な動きにとどまり、午後は158円40銭から80銭台で推移しました。一方、ユーロ円は堅調に推移し、一時187円60銭台から70銭台まで上昇、1999年のユーロ導入以来の最高値圏を維持しています。豪ドル円も113円台後半、ポンド円は215円台前半での取引となりました。

COMMENT
『イランとアメリカの戦闘終結に向けて前向きな情報が出ている中で、ドルインデックスは戦闘開始前の水準まで戻ってきています。また、日本銀行が利上げに前向きであるとの報道も見られます。一方で、戦闘が開始された当初は156円台であったドル円は、現在158円台後半から159円台で推移しています。さらに、片山財務大臣の円安牽制発言があったにもかかわらず、ドル円は158円を割り込むことはありませんでした。これらの状況から判断すると、今回の円安は単なるドル高ではなく、円そのものの価値が低下していることが主な要因である可能性が考えられます。今後も円安が継続する場合には、為替介入が実施される可能性もあるため、引き続き注意が必要であると考えます。』

【金利動向】

米国の10年債利回りは4.28%前後で推移しました。米国内のインフレ懸念や中東情勢の影響を背景に、利回りはやや高止まりの傾向を見せています。また、欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待が後退するなか、日銀の金融政策をめぐる先行き不透明感との差が意識されています。

【コモディティ市場】

原油相場は、中東情勢の緊張緩和への期待からピーク時よりは落ち着きを見せているものの、依然として高止まりの状態にあります。WTI原油先物価格は時間外取引で1バレル91ドル台後半で推移しました。金相場は前日に反落して取引を終えています。


3. マクロ環境・政策動向

【地政学リスク・外交】

米国とイランの直接協議が進展し、2週間の停戦期間の延長が検討されているとの報道が伝わっています。トランプ大統領は「戦闘終結は非常に近い」との認識を示しました。一方で、ホルムズ海峡の事実上の封鎖状態が続いており、エネルギー供給網への懸念は完全には払拭されていません。また、中国はベトナム沿岸での人工島建設を進めるなど、南シナ海での活動を強化しており、新たな知政学的懸念として浮上しています。

COMMENT
『トランプ大統領はベネズエラおよびイランに対して攻撃を行いましたが、これらの国はいずれも中国へ原油を輸出している、いわゆる親中国の国と位置付けることができます。これまでを振り返ると、新型コロナウイルス対応や関税政策などを通じて、中国に対して強硬な姿勢を示してきました。こうした経緯を踏まえると、今後、中国に対して軍事的な圧力を強める可能性も完全には否定できません。そのため、中国の軍事的な動向については、引き続き注視していく必要があると考えられます。また、5月中旬には米中首脳会談が予定されています。この会談において、市場に影響を与えるようなサプライズ的な発表が行われる可能性もあるため、警戒が必要であると考えられます。』

【金融政策】

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、利下げの判断を次回の会合以降に委ねる姿勢を示し、早期利下げへの期待が一部後退しました。米国では、トランプ大統領がFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長に対し、任期満了に伴う退任を迫る発言をするなど、中央銀行の独立性をめぐる議論が続いています。日本においては、G20財務相・中央銀行総裁会議後の植田日銀総裁の発言が注目されています。

【制度・政策】

中国の2026年1〜3月期のGDP(国内総生産)は、前年同期比5.0%増となり、市場予想の4.8%増を上回りました。輸出や生産が堅調だった一方、小売売上高などの内需関連指標には慎重な見方が残っています。


4. セクター別注目銘柄

【半導体・ハイテク】

・TSMC:2026年第1四半期決算で純利益が前年比58%増の5,724億台湾ドルとなり、市場予想を上回る過去最高を更新。通期の売上高見通しも上方修正。

・東京エレクトロン (8035):米ハイテク株高やTSMCの好決算を受け、株価が4%超上昇。

・アドバンテスト (6857):GPU向けテスト装置で高いシェアを持つ同社は、1段高となり過去最高値に接近。

・TDK (6762):出遅れ感のあったハイテク株として買われ、12%を超える急騰。年初来高値を更新。

・キオクシアホールディングス (285A):連日の売買代金トップ。野村證券が目標株価を51,000円に引き上げたことが材料視され、一時4%超の上昇。

【電気機器・データセンター関連】

・ダイキン工業 (6367):米アクティビストのエリオット・マネジメントが約3%の株式を保有したとの報道により、株価が一時13%超の急騰。1年9ヶ月ぶりの高値を記録。

・日置電機 (6886):第1四半期決算で純利益が前年同期比41%増となり、ストップ高買い気配。データセンター向け電子部品やバッテリー測定器が好調。

・トレンドマイクロ (4704):アンソロピック(Anthropic)との提携によりAIエージェントサービスを開始すると発表。株価は12%近い上昇。

・太陽誘電 (6976):台湾メディアによる一部製品の値上げ報道を受け、4年ぶり高値を更新。

【外食・小売】

・吉野家ホールディングス (9861):2026年2月期決算で2桁増益を記録。国内外でのラーメン事業の伸びが寄与し、年初来高値を更新。

・サイゼリヤ (7581):通期見通しの上方修正幅が限定的だったことや、国内事業の収益性を懸念した証券会社の投資判断引き下げを受け、年初来安値を更新。

・クリエイト・レストランツ・ホールディングス (3387):原材料費高騰や居酒屋業態の苦戦による営業減益を発表。

【製造・防衛・その他】

・三菱重工業 (7011):防衛関連銘柄として注目され、過去10年間で株価が大幅に上昇。直近でも安定した増益期待から買われる。

・テクノフレックス (3449):2026年12月期上期計画を上方修正。営業利益を従来予想から70%引き上げ。

・住石ホールディングス(1514):豪州の炭鉱会社からの配当金が想定を上回り、前期純利益の見通しを上方修正。期末配当も増額。

・タイミー (215A):未払い賃金をめぐる集団訴訟の報道を受け、株価が一時急落。