1. 株式市場動向
東京株式市場では、日経平均株価が3日続伸し、前日比236円69銭高の59,585円86銭で取引を終え、4月16日に付けた終値ベースの過去最高値を更新しました。取引時間中には一時59,700円台に乗せ、59,708円の高値を付ける場面がありました。一方で、TOPIX(東証株価指数)は0.7%〜0.8%程度の下落となり、日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は15.89倍付近まで上昇し過去最高水準を記録しました。東証プライム市場では全体の80%以上にあたる1,300銘柄超が値下がりしており、日経平均株価の上昇はソフトバンクグループやアドバンテストなど一部のAI・半導体関連の大型株に牽引される極端な二極化の相場展開となりました。新興市場においても、東証グロース市場250指数は下落しました。
米国株式市場では、前日の取引でダウ工業株30種平均が293ドル(0.5%)安の49,149ドルとなったほか、S&P500、ナスダック総合指数もそれぞれ0.56%下落し、主要3指数が揃って続落しました。中東情勢の不透明感や原油高によるインフレ懸念が背景にあります。ただし、半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は15日続伸し、連日で最高値を更新しました。
アジア市場では、台湾加権指数が0.9%上昇して連日の最高値更新となったほか、上海総合指数が0.2%上昇しました。一方で、香港ハンセン指数は1.3%下落、韓国総合株価指数も小幅な下落となりました。
COMMENT
『世界中で、半導体関連銘柄が上昇し相場を維持しています。東京市場では、80%以上の企業の株価が下落したのにも関わらず、半導体関連企業の上昇により日経平均が上昇しました。そのため、過去3週間の上昇の調整の開始のきっかけは、半導体企業の下落だと考えられます。半導体銘柄、そして、SOX指数の動向を注視する必要があると考えます。』
2. 為替・金利・コモディティ
【為替市場】
東京外国為替市場では、ドル円相場は1ドル=159円20銭から159円70銭近辺での推移となりました。日本銀行が4月の金融政策決定会合で追加利上げを見送るとの観測が強まったことや、米国のインフレ懸念を背景に円売り・ドル買いが優勢となりました。ユーロ円は187円台半ば、ニュージーランドドルは対米ドルで0.59付近、対円で94円台前半での推移となりました。
【金利動向】
米国の債券市場では、インフレ高止まりへの警戒感から米国10年国債利回りが一時4.29%付近まで上昇しました。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、4月8日の会合で政策金利(オフィシャルキャッシュレート)を2.25%に据え置く決定を行っています。
【コモディティ市場】
ニューヨーク原油先物市場(WTI)は、通常取引で1バレル92ドル台で引けた後、時間外取引では89ドル台まで下落する場面が見られました。中東情勢を巡る地政学リスクやホルムズ海峡の封鎖継続が原油価格の高止まり要因となっています。金先物相場は小幅な下落となりました。
3. マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
米国とイランの停戦交渉において、トランプ米大統領はSNSを通じてイランとの停戦を無期限で延長すると表明しました。パキスタン政府からの要請を受けたものとされており、予定されていたバンス副大統領のパキスタン訪問は延期されました。これに対し、イランのガリバフ国会議長は、米国の時間稼ぎの策略であると反発しています。トランプ大統領は、合意に至るまでホルムズ海峡におけるイラン船籍の封鎖を維持する方針を併せて示しています。
【金融政策】
米国では、次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏が上院の公聴会に出席しました。同氏は金融政策の独立性の重要性を強調し、特定の金利水準に関する大統領からの要求は受けていないと述べたほか、インフレ対策における新たな政策フレームワークの必要性に言及しました。日本では、中東情勢の不透明感や原油高による供給制約などを理由に、日本銀行が4月の会合での利上げを見送る方向であると複数メディアで報じられました。
【制度・政策】
米国の3月の小売売上高は前月比1.7%増、前年同月比4%増となり、市場予想を上回りました。特にガソリンスタンドの売上高が前年比18%増(ガソリン価格も同18%上昇)となりました。一方、ニュージーランドの第1四半期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比3.1%上昇となり、市場予想の2.9%を上回りました。また、同国の失業率は前月の5.3%から5.4%へと上昇しています。
4. 個別銘柄動向
【半導体・電子部品】
・ソフトバンクグループ (9984):傘下の英アームのレネ・ハースCEOがソフトバンクグループの国際事業トップを兼任する人事が伝わりました。株価は一時10%超急伸しました。
・アドバンテスト (6857):米アプライドマテリアルズとの協業を発表しました。
・ディスコ (6146):2026年3月期通期の連結決算を発表し、売上高4,368億円(前期比11.0%増)、営業利益1,849億円(同10.9%増)、純利益1,355億円(同9.4%増)となりました。年間配当は前期の376円から505円に増額する計画を示しました。同時に発表した2027年3月期第1四半期の予想は、売上高1,061億円、営業利益420億円となっています。
・イビデン (4062):株価が上昇し、上場来高値を更新しました。
・太陽誘電 (6976):積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの製品価格を5月から引き上げるとの報道がありました。
・レゾナック (4004):次世代半導体パッケージ開発の本格稼働を開始したと発表し、上場来高値を更新しました。
・TDK (6762):年初来高値を更新しました。
【IT・ソフトウェア】
・オービック (4684):2027年3月期の通期予想で営業利益が前期比10%増となり、15年連続で最高益を更新する見通しを発表しました。あわせて年間配当を94円に引き上げる方針と、発行済み株式の2.3%にあたる500億円を上限とする自社株買いを発表し、株価は10%を超える上昇となりました。
・キヤノンマーケティングジャパン (8060):2026年12月期第1四半期の連結決算を発表し、売上高1,716億円(前年同期比2.6%増)、営業利益185億円(同40.0%増)、純利益128億円(同45.3%増)といずれも過去最高を更新しました。
・SHIFT (3697):岩井コスモ証券が投資判断を5段階で2番目の「B+」から最上位の「A」へ引き上げました。
【自動車】
・トヨタ自動車 (7203):株価が下落し、年初来安値に接近しました。一部報道で、5月に国内2工場・2ラインの一時稼働停止を計画していると報じられました。
・ホンダ (7267):株価が1.5%下落しました。ソニーグループとの共同出資によるEV事業(ソニー・ホンダモビリティ)について、EVの開発中止および事実上の休止状態となり、全従業員を親会社へ再配置することが報じられました。
【小売・外食・食品】
・ブロンコビリー (3091):2026年1〜3月期の連結決算で純利益が前年同期比86%増となりました。株価は一時7年10カ月ぶりの高値を付けました。
・サッポロホールディングス (2501):米国のクラフトビール事業(ストーン・ブリューイング)の売却と生産体制の見直しに伴う特別損失の計上を発表し、株価は6%下落しました。
・コメ兵ホールディングス (2780):2月のブランドファッション事業の売上高が前年同月比44.1%増加しました。3月には福岡県に新店舗を開業しています。
【化学・素材】
・日本ゼオン (4205):原材料価格の高騰を理由に、自動車タイヤなどに使われる合成ゴム製品の価格を5月1日納入分から値上げすると発表しました。
【金融】
・三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306):日本銀行が4月の追加利上げを見送るとの報道を受け、利ざや改善期待が後退し、株価が下落しました。
【新興市場・IPO・その他】
・G-SQUEEZE (558A):東証グロース市場に新規上場しました。公開価格3,110円に対し、初値は3,250円(4.5%上回る水準)となりました。
・バトンズ (554A):東証グロース市場に新規上場(前日上場、初値持ち越し)しました。公開価格660円に対し、初値は1,674円となりました。
・Terra Drone (278A)/ACSL (6232):小泉進次郎防衛相がドローンの国産化が不可欠であるとインタビューで言及した報道を受け、両銘柄の株価がストップ高など大幅に上昇しました。
・アクセルスペース (402A):宇宙航空研究開発機構(JAXA)と軌道上サービス提供を巡る基本協定書を締結しました。