1. 株式市場動向
東京株式市場では、日経平均株価が終値ベースで史上初めて6万円台の大台を突破し、過去最高値を更新しました。米国市場でハイテク株や半導体関連株が大きく買われた流れを引き継ぎ、東京市場でも時価総額の大きい半導体やAI関連、ファクトリーオートメーション関連の主力銘柄を中心に買いが集まりました。取引時間中には一時1,100円を超える上昇幅となり、6万903円の高値を付ける場面が見られました。
一方で、相場の上昇は一部の大型株に牽引されており、TOPIX(東証株価指数)は上昇したものの、日経平均株価に比べて上昇幅は限定的となりました。この結果、日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は歴史的な高水準まで拡大しています。また、中小型株で構成される東証グロース市場250指数は下落し、4営業日続落となるなど、大型株と中小型株の間でパフォーマンスの二極化が鮮明になっています。
COMMENT
『キーエンスやアドバンテスト、ファナックといった主力企業による好決算や自社株買いの発表を受け、日経平均株価は6万円を突破し、大きく上昇しました。
一方で、グロース市場は4日連続で下落しており、主要指数とは対照的な動きとなっています。一般的に株式市場では、ボラティリティが高くリスクの大きい中小型株から先に利益確定や損切りが進む傾向があります。
この点を踏まえると、日経平均の上昇とグロース市場の下落という逆行現象は、今後の日経平均の下落を示唆する前兆である可能性も考えられます。したがって、今後はグロース市場の動向を引き続き注視していく必要があると考えます。』
海外の株式市場においては、米国市場でS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数が過去最高値を更新しました。特に半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は18営業日連続で上昇し、最高値を更新しています。アジア市場では、韓国の総合株価指数(KOSPI)と台湾の加権指数がともに2%を超える上昇となり、それぞれ過去最高値を上回る水準に到達しました。
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『現在、米国ではSOX指数が上昇しており、その流れを受けて日本の半導体関連銘柄も買われ、日経平均株価を押し上げています。さらに、TSMCを擁する台湾や、サムスン電子を中心とする韓国の株価指数も上昇し、いずれも最高値を更新しています。
一方で、欧州株式市場に目を向けると、イギリス、フランス、ドイツの主要株価指数はいずれも4月17日の高値を上回ることができず、下落傾向が見られます。
これらの動きを総合すると、現在の株式市場では半導体関連銘柄が主導して上昇している一方で、それ以外のセクターについては軟調に推移している可能性があると考えられます。』
2. 為替・金利・コモディティ
【為替市場】
外国為替市場における円相場は、1ドル=159円台前半から半ばでの推移となりました。中東情勢に関する報道を受けて一時的に有事のドル買いや円買いが交錯したものの、もみ合いの展開が続いています。また、ユーロ円は186円台後半での推移となるなど、クロス円全般において円安水準が継続しています。
【金利動向】
米国の債券市場では、10年物国債利回りが4.35%付近まで上昇する推移が見られました。日本国内の債券市場においても長期金利が上昇し、10年物国債利回りは2.46%台を付けるなど、約2週間ぶりの高い水準を記録しています。
【コモディティ市場】
原油先物市場では、中東の地政学リスクを背景にニューヨーク原油先物が1バレル=95ドルから96ドル台の高値圏で推移しています。
3. マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
米国とイランを巡る中東情勢については、米国大統領が交渉団の派遣取りやめを表明するなど一時協議が難航しました。しかしその後、米国メディアにおいて、イランがパキスタンの仲介を通じてホルムズ海峡の再開と戦闘終結に関する合意を目指す新たな提案を米国側に提示したと報じられました。同提案には核開発交渉の延期が条件として含まれているとされています。なお、ホルムズ海峡の実質的な封鎖状態は継続しています。
【金融政策】
日本銀行の金融政策決定会合が開催されており、市場では政策金利の据え置きが見込まれています。また、米国でも米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されており、こちらも政策金利の据え置きが予想される状況となっています。
【制度・政策】
上場企業において、資本効率の改善を目的とした資金配分(キャッシュアロケーション等)の開示が進んでいます。成長投資や株主還元に回す資金配分を開示した企業は2025年度に476社に上り、前年度比で約6割増加して過去最多となりました。
4. 個別銘柄動向
【半導体・電子部品】
・アドバンテスト (6857):2026年3月期の純利益が前年比132.9%増の3,753億円となり過去最高益を記録しました。2027年3月期も24%増の4,655億円を見込み、株価は一時10%超急騰し上場来高値を更新しました。
・東京エレクトロン (8035):株価が上場来高値を更新しました。
・ローム (6963):デンソーによる買収提案が撤回されるとの報道を受け、株価が急落しました。なお、同社は東芝および三菱電機とパワー半導体事業の統合に向けた協議を進めています。
【機械】
・ファナック (6954):2027年3月期の営業利益が前年比15%増の2,122億円になる見通しを発表し、同時に最大500億円の自己株式取得を公表したことで株価はストップ高水準まで買われました。
・キーエンス (6861):2026年3月期の純利益が前年比12%増の4,451億円となり、5期連続で過去最高益を更新しました。また、取締役会決議による自己株式取得を可能にする定款変更の議案を株主総会に提出すると発表し、株価はストップ高となりました。
【金融】
・野村ホールディングス (8604):2026年3月期の純利益が前年比6%増の3,621億円と2期連続で最高益となりましたが、減配となったことや自社株買いの発表が見送られたことから株価は下落しました。
【IT・情報通信】
・日立製作所 (6501):2026年3月期の純利益が前年比30.3%増の8,023億円となりました。最大5,000億円(発行済み株式総数の3.56%)の自己株式取得を発表しています。
・NEC (6701):戦略説明会において、2030年度にDX事業で1兆3,000億円の売上収益を目指すと発表しました。米国のAIスタートアップであるAnthropicとの協業も進めています。
・はてな (3930):不正な送金指示に起因し、最大約11億円の資金流出事案が発生したと発表し、株価はストップ安買い気配となりました。
・データホライゾン (3628):営業利益予想を従来の4億円の黒字から2,200万円の黒字へ下方修正しました。
【その他】
・MTG (7806):アイシンと連携し、トヨタの「レクサス」ブランド向けに車載用美容機器の開発に乗り出すと発表し、株価は下落しました。
・レナサイエンス (4889):局所進行性の非小細胞肺がんを対象とした第2相臨床試験の開始を発表しました。
・ダイナミックマッププラットフォーム (336A):無人航空機を活用した測量業務に実績のあるリカノスの買収を発表しました。