1. 株式市場動向
米国の株式市場では、S&P500およびNASDAQ総合指数が最高値を更新しました。S&P500は2020年11月以来となる月間ベースでの大幅な上昇ペースを記録しています。テクノロジー株の上昇を牽引してきた半導体銘柄で構成されるSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)については、2000年代初頭以来となる18日連続の上昇を記録した後に下落に転じ、連続上昇記録がストップしました。全体として、相場は主要テクノロジー企業の決算発表や連邦準備制度理事会(FRB)の会合を控えた様子見姿勢と、人工知能(AI)関連の旺盛な需要を背景とした局所的な買いが交錯する展開となっています。
COMMENET
『4月の上昇相場をけん引してきたSOX指数の連騰が止まりました。これにより、投資家心理がネガティブに傾く可能性があります。その結果、S&P500やNasdaqといった主要株価指数の下落につながる展開も考えられます。
一方で、今週水曜日(日本時間では木曜日早朝)には、Google、Microsoft、Meta、Amazonといった主要テック企業の決算発表が予定されています。これらの決算内容が良好であれば、相場が再び上昇基調に戻り、さらなる上昇につながる可能性もあります。』
2. 為替・金利・コモディティ
【為替市場】
米ドル指数は小幅な下落となりました。暗号資産市場では高値からの調整が見られ、Bitcoinが77,000ドルを下回り、Etherも2,300ドルを割り込んで下落しました。
【金利動向】
米国債利回りは上昇し、10年債利回りが4.3%、30年債利回りが4.929%となりました。米国の利回り上昇に合わせる形で、英国のギルト債利回りが約18年ぶりの高水準、欧州の指標となるドイツ国債利回りも約15年ぶりの高水準に達するなど、グローバルな長期金利の全般的な上昇が確認されています。
【コモディティ市場】
原油価格は上昇しました。国際指標であるブレント原油は1バレル100ドルを突破し、WTI原油も約2%上昇して1バレル96ドル台での取引となりました。イランとの停戦交渉の停滞や、ホルムズ海峡における通航量の減少(週次で55%減の35隻)などが価格上昇の要因です。データ上でも米国によるペルシャ湾の封鎖がイランの原油輸出フローに影響を与え始めており、積み込みが激減して国内の貯蔵施設が急速に埋まりつつあることが確認されています。
3. マクロ環境・政策動
【地政学リスク・外交】
イラン政府は米国に対し、ホルムズ海峡の再開と引き換えにペルシャ湾の封鎖を解除する新たな提案を行いました。ただし、この提案ではイランの核開発問題に関する協議を将来に先送りする内容となっています。
【金融政策】
米司法省は、FRBのパウエル議長に対する刑事捜査を終了しました。今後は監察官室がコスト超過問題に関する一般的な監査へ移行する予定です。この決定により、次期FRB議長として指名されているケビン・ウォーシュ氏に対する上院銀行委員会の承認投票に向けたハードルが取り除かれました。
【制度・政策】
ホワイトハウス記者クラブの夕食会で発生した発砲事件において、容疑者のコール・アレンがトランプ大統領の暗殺未遂などの罪で起訴されました。 また、中国政府は、Metaによる中国発のAIスタートアップ企業Manusの買収(約20億ドル規模)を阻止する決定を下しました。詳細な理由は公表されていません。
4. 個別銘柄動向
【テクノロジー・半導体】
・NVIDIA(NVDA):時価総額が再び5兆ドルを突破し、株価は過去最高値を更新しました。
・Microsoft(MSFT):OpenAIとの提携契約を改定しました。OpenAIは他のクラウドプロバイダーへの製品提供が可能となり、Microsoftへの独占ライセンス契約が変更されました。また、収益分配スキームも終了し、Microsoftへの支払いは2030年までの上限付きへと変更されています。
・Oracle(ORCL):ミシガン州において、OpenAI向けに160億ドル規模のデータセンターを建設する計画が明らかになりました。
・Qualcomm (QCOM):OpenAIと提携し、AI搭載スマートフォン向けのプロセッサを共同開発していることが報じられました。
・DeepSeek:最新モデル「DeepSeek-V4」をリリースしました。このモデルは米国製ではなくHuawei製のチップを使用して構築されています。
・Cadence Design Systems (CDNS):四半期決算を発表し、売上高およびEPSが市場予想を上回りました。
・Rambus (RMBS):四半期決算を発表し、EPSが市場予想に届かず株価が下落しました。
【ヘルスケア・製薬】
・Organon (OGN):インドのSun Pharmaが、女性の健康分野に特化したOrganonを約117億ドルの現金で買収することを発表しました。これを受けてOrganonの株価が急騰しました。
・Novartis / Amgen (AMGN)/ Eli Lilly (LLY):これら3社は、心臓発作のリスクを倍増させるとされる「Lp(a)」と呼ばれる悪玉コレステロールを低下させる新薬のフェーズ3臨床試験を進めています。
・Eli Lilly (LLY):がん治療薬開発のAjax Therapeuticsを最大23億ドルで買収することを発表しました。
【消費財・小売】
・Domino’s Pizza (DPZ):四半期決算において米国の既存店売上高が予想を下回り、通期の見通しを下方修正しました。株価は約10%下落しました。
・Verizon Communications (VZ):四半期決算で利益予想を上回り、後払い式の携帯電話契約数を55,000件純増させました。
【金融】
・LendingClub (LC):四半期決算を発表し、EPSと売上高が市場予想を上回りました。
・Blue Owl Capital (OWL):Saba Capitalなどが実施した同社のファンドに対する30%ディスカウント価格での公開買付け(TOB)において、投資家からの応募が予想を大幅に下回る結果となったことが報じられました。