#23 4月30日(木) 米国市場レポート

1. 株式市場動向

2026年4月30日の米国株式市場は、主要指数が上昇しました。S&P 500とナスダック総合指数は日中に史上最高値を更新し、S&P 500は初めて7,200の大台を突破して取引を終えました。ダウ工業株30種平均は前日比で約850ドル(約1.5%)上昇し、5日間の続落を止めました。

4月の月間騰落率は、ダウ平均が約7%、S&P 500が約10%、ナスダックが約15%の上昇を記録しました。ナスダックにとっては過去6年間で最高の月間パフォーマンスとなりました。市場を牽引したのはAlphabetやCaterpillar、Eli Lilly、Qualcommなどの好決算銘柄です。一方で、資本支出(CapEx)の大幅な増額を発表したMeta PlatformsやMicrosoftなどは下落し、銘柄間での明暗が分かれました。

企業のファンダメンタルズは概ね堅調で、これまでに決算を発表したS&P 500採用企業の約86%が利益予想を上回っており、その上振れ幅の中央値は6%に達しています。

2. 為替・金利・コモディティ

【為替市場】

ドル円相場は、一時1ドル160円を付けた後、日本当局による円買い介入の観測により、2.3%以上の急激なドル安・円高が進行し、一時1ドル155円を付けました。米ドル指数は、中東情勢の停戦期待などを背景に4月に約1.5%下落しました。

【金利動向】

米10年物国債利回りは一時4.4%を超え、約1ヶ月ぶりの高水準を付けました。債券市場では、粘り強いインフレ指標を背景に、FRBによる早期利下げ期待が後退しています。

【コモディティ市場】

北海ブレント原油は戦闘開始以来の最高値を更新しました。国のガソリン価格は全国平均で1ガロン=4.30ドルとなり、2022年以来の高値を記録しました。米国は原油の純輸出国となりましたが、在庫減少と輸出増が国内価格を押し上げています。

COMMENT
『株式市場は、企業の決算発表に注目して値動きしているように見受けられます。その結果、S&P500やNasdaqは最高値を更新しています。一方で、原油や金利は、戦争およびそれに起因するインフレへの警戒に反応している可能性があります。北海ブレント原油はイランとアメリカの戦闘開始以降の高値を更新し、米国10年債利回りも同様に、戦闘開始以降の高い水準まで上昇しています。
このように金融市場の中で一貫性のない値動きが起こっており、不均衡が生じている可能性があります。そして、この不均衡は、今後是正される可能性があると考えています。特に、Nasdaqは4月に記録的な上昇を見せていることから、その上昇の調整の下落が起こり、これらの乖離が回帰する可能性があると考えています。』

3. マクロ環境・政策動向

【地政学リスク・外交】

イランを巡る紛争が継続しており、米国の封鎖措置がイランの港湾や肥料・原油の供給に影響を与えています。トランプ大統領はイランに対する追加の軍事行動の可能性についてブリーフィングを受けていると報じられました。また、ドイツ駐留米軍の削減示唆や、ベネズエラとの直行便再開、同国での石油・ガス・鉱山幹部との協議など、多方面で外交的な動きが見られました。

【制度・政策】

米国議会では、国土安全保障省(DHS)の閉鎖を回避するための資金調達法案が可決されました。また、トランプ大統領による退職金積立アクセス拡大の大統領令への署名や、農業・食品プログラムを5年間再承認する法案が通過しました。

4. 個別銘柄動向

【テクノロジー】

・Alphabet (GOOG):クラウド部門の売上高が前年同期比63%増となり、初めて200億ドルを突破されました。2026年の資本支出(CapEx)ガイダンスを最大1,900億ドルに引き上げたことを受け、株価は一時8%を超える上昇を見せました。

・Amazon (AMZN):AWS(クラウド部門)の売上高が前年比28%増を記録されました。資本支出のガイダンスは据え置かれ、株価は一時上場来高値を更新しました。

・Meta Platforms (META):第1四半期の売上高は前年比33%増と好調に推移されましたが、資本支出のガイダンスを1,250億〜1,450億ドルに引き上げたことでキャッシュフローへの懸念が広がり、株価は9%下落しました。

・Microsoft (MSFT):Azureの売上高が40%の成長を示されました。2026年の資本支出を1,900億ドルと予想されており、株価は5%を超える下落となりました。

・Apple (AAPL):売上高と利益がともに市場予想を上回りました。サービス部門の売上高が16%増加したほか、1,000億ドルの自社株買い枠を設定されました。中国市場での売上高も前年比28%増を記録しています。

・Qualcomm (QCOM):良好な決算内容に加え、年内に大手ハイパースケーラー向けにデータセンター用チップの出荷を開始すると発表しました。株価は14%を超える急騰をしました。

・Reddit (RDDT):売上高が市場予想を上回り、第2四半期の業績見通し(ガイダンス)を上方修正しました。これを受けて株価は9%上昇しました。

・Roblox (RBLX):安全性対策の強化に伴い新規ユーザーの獲得が鈍化したことを理由に、通期の業績見通しを下方修正しました。株価は20%を超える大幅な下落となりました。

・Dell Technologies (DELL):AIサーバーへの強い需要を背景に、サーバー部門の売上高が300億ドル規模へと倍増しました。

・Intel (INTC):4月月間の株価が2倍となり、1969年の上場以来で最高となる月間上昇率を記録しました。

【産業・エネルギー・ヘルスケア等】

・Caterpillar (CAT):建設および電力機器の需要増加を受け、通期の売上高見通しを上方修正しました。株価は10%上昇し、最高値を更新しました。

・Eli Lilly (LLY):肥満症治療薬「Zepbound」と糖尿病治療薬「Mounjaro」の需要が極めて強く、通期の売上高見通しを20億ドル引き上げました。株価は10%上昇しました。

・Amgen (AMGN):第1四半期決算が市場予想を上回り、通期の業績ガイダンスをわずかに引き上げました。

・Mastercard (MA):市場予想を上回る決算と2026年の収益成長見通しの引き上げを発表しましたが、当日の株価は下落しました。

・Sprouts Farmers Market (SFM):通期の業績見通しを引き上げたことを受け、株価は17%上昇し過去最高値を更新しました。

・Hertz Global Holdings (HTZ):Uberとの間でロボタクシーに関連するパートナーシップの締結を発表され、株価は12%上昇しました。

・Blue Owl Capital (OWL):ソフトウェア業界への露出を段階的に減らす方針を示しました。決算では利益予想を維持し、株価は10%上昇しました。