1. 株式市場動向
日本市場では、日経平均株価が3日ぶりに反発しました。2026年5月1日の終値は、前日比228円20銭高い59,513円12銭となりました。取引開始直後には一時下げに転じる場面もありましたが、決算内容が評価された銘柄が指数を牽引し、上げ幅は一時400円を超えました。一方、TOPIXもわずかながら反発して取引を終えています。東証プライム市場の売買代金は概算で7兆6,841億円に達しました。騰落銘柄数は、値下がりが844銘柄、値上がりが670銘柄となり、全体としては値下がり銘柄が上回る結果となりました。
新興市場では、東証グロース市場250指数が反発しました。前日の米国市場におけるハイテク株高の流れを引き継ぎ、個人投資家の物色意欲が回復しました。特にAIやドローンに関連する特定の銘柄に商いが集中し、指数を押し上げる要因となりました。
COMMENT
『日経平均は、2025年以降、円安や米国の半導体企業の好調に支えられて上昇してきた背景があります。その結果、日経平均が一方向に上昇し、NT倍率は拡大しており、日本経済の実態と乖離している可能性があります。
実際に本日の値動きを見ても、値下がり銘柄の方が多いにもかかわらず、日経平均は上昇しています。このような乖離が、今回の為替介入をきっかけに是正されていく可能性もあると考えられます。』
2. 為替・金利・コモディティ
【為替市場】
為替市場では円が急騰し、一時1ドル155円台まで円高が進む場面がありました。前日に一時160円70銭台まで円安が進行したことを受け、日本政府と日本銀行による為替介入が実施されたとの観測が広がっています。その後、円高の勢いは落ち着き、157円前後での推移となりました。
【金利動向】
米国の長期金利は一時4.4%台まで上昇しましたが、その後は低下し、10年債利回りは4.37%程度で取引を終えました。日本の長期金利については、29年ぶりに0.9%台後半まで上昇する局面が見られました。
【コモディティ市場】
原油市場では、ニューヨーク原油先物価格が高止まりしています。中東情勢の緊迫化を背景に、一時1バレル=110ドル台を記録した後、105ドル近辺で推移しています。金相場は4日ぶりに反発しました。
3. マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
中東情勢の不透明感が長期化しており、サプライチェーンの混乱リスクが意識されています。特にナフサなどの原材料供給不足が懸念されており、企業の生産計画や物価見通しに影響を与えています。また、イランをめぐる情勢について米国が新提案を拒否したとの報道もあり、緊張状態が続いています。
【金融政策】
4月30日にドル円が、1ドル160円台から155円台に急激に円高に進みました。この値動きについては、為替介入が行われた可能性が指摘されています。日本銀行が公表した統計によると当座預金残高に市場予想と5兆円ほど乖離があることから、5兆円規模のドル売り円買いの介入が行われた可能性があります。片山財務大臣は、急激な円高の値動きの直前に記者に対し、「断固たる措置をとるタイミングが近づいている」と述べ、「ご外出の時もお休みの時もスマホを離さずに」とも述べていました。為替介入後に三村財務官は、大型連休はまだまだ序盤と述べ、さらなる介入の可能性を示唆しました。
COMMENT
『今回、5兆円規模の為替介入が行われました。過去の日本の為替介入を見てみると何回かに分けて、約10兆円規模の為替介入が行われた実績があります。また、日本のゴールデンウイーク期間中は、日本の金融関係者が休みのため、市場参加者が少なく、為替介入が行いやすいともいわれています。そのことを踏まえると、ゴールデンウイーク期間中に円安が進み、ドル円が158円台付近まで上昇すると、再び為替介入が実施される可能性があると考えます。』
4. 個別銘柄動向
【半導体・ハイテク】
・東京エレクトロン 8035):2026年4〜9月期の連結純利益が前年同期比36%増の3,288億円になるとの見通しを発表し、株価は上場来高値を更新しました。
・アドバンテスト (6857):AI向け半導体検査装置の需要が好調で前期は増収増益でしたが、今期の見通しが市場予想に届かず、株価は続落しました。
・レーザーテック (6920):2025年7月〜2026年3月期決算で純利益が過去最高を更新し、受注高の見通しも上方修正しましたが、通期予想の据え置きが嫌気され下落しました。
・キオクシアホールディングス (285A):同業の米サンディスク(Sandisk)が好決算発表後に時間外で下落した流れを受け、連れ安となりました。
【商社】
・住友商事 (8053):今期の連結純利益が前期比5%増の6,300億円になるとの見通し、増配、自社株買い、1対4の株式分割を同時に発表し、ストップ高となりました。
・三菱商事 (8058):今期の純利益見通しが1兆円規模となり、市場予想を上回ったことから大幅高となりました。
・三井物産 (8031):今期の純利益見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、売りが先行しました。
・丸紅 (8002):今期の純利益見通しが市場予想に届かず、決算発表後に株価が下落しました。
・豊田通商:アフリカ事業の拡大などで過去最高益を見込む内容により、買い戻されました。
【自動車・輸送用機器】
・トヨタ自動車 (7203):円高進行による採算悪化懸念や、中東情勢による部品調達リスクから連日で年初来安値を更新しました。
【内需・サービス・その他】
・TOTO (5332):半導体製造装置向けセラミック製品の好調により、今期の純利益見通しが14%増の460億円になると発表し、ストップ高まで買われました。
・ANAホールディングス (9202):燃料費高騰により今期は大幅減益の見通しですが、悪材料出尽くし感から8日ぶりに反発しました。
・ヤマトホールディングス (9064):運賃引き上げ効果で大幅増益を見込むものの、燃料高の懸念が払拭できず株価は軟調でした。
・ニトリホールディングス (9843):為替介入による円高メリット銘柄として買われ、株価は上昇しました。