#29 5月7日(木) 日本市場レポート

1. 株式市場動向

連休明けとなる東京株式市場では、日経平均株価が大幅に続伸しました。終値は前営業日比3,320円72銭高の62,833円84銭となり、上昇率は約5.6%を記録しています。4月27日につけた過去最高値を大きく上回ったほか、1日の上げ幅としても2024年8月6日の3,217円高を更新し、過去最大となりました。TOPIXや東証グロース市場250指数など、主要な株価指数も総じて大幅に上昇しています。東証プライム市場の売買代金は概算で10兆8,448億円に膨らみ、値上がり銘柄数は全体の約75%を占めました。

米国市場において、S&P500やナスダック総合指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新した流れを引き継ぎ、東京市場でも半導体やAI(人工知能)、データセンター関連銘柄に買いが集中しました。セクター別では33業種中30業種が上昇し、非鉄金属、金属製品、情報・通信業、電気機器などが値上がり率の上位に並んでいます。一方で、鉱業、石油・石炭製品、輸送用機器の3業種は下落しました。

アジアの株式市場においても、上海総合指数、香港ハンセン指数が上昇したほか、韓国の総合株価指数、台湾の加権指数がともに過去最高値を更新するなど、堅調な推移となっています。

2. 為替・コモディティ

【為替市場】

外国為替市場のドル円相場は、1ドル=156円台前半から半ばで推移しています。日本の大型連休中(4月30日、5月1日、4日、6日)には、政府・日銀による為替介入とみられる動きが断続的に観測され、一時155円近辺まで円高方向に振れる場面がありました。ユーロ円相場は1ユーロ=183円台後半で推移しています。

【コモディティ市場】

ニューヨーク原油先物市場(WTI)では、中東情勢を巡る停戦期待などを背景に価格が急落し、1バレル=95ドル台後半での推移となっています。一時、前日比で7%以上の下落を記録しました。一方、金価格は上昇しています。

3. マクロ環境・政策動向

【地政学リスク・外交】

米国とイランの戦闘終結に向けた協議が進展し、合意に近づいているとの報道がなされています。一方で、米国が海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の船舶を無力化したほか、イスラエルがレバノンへの空爆を再開するなど、中東地域の情勢は流動的な状況が続いています。また、米国のトランプ大統領は、5月14日から15日にかけて中国を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行う予定です。

【金融政策】

オーストラリア準備銀行(RBA)が0.25%の利上げを実施し、政策金利を4.35%としました。また、ノルウェーの中央銀行およびスウェーデンの中央銀行の金融政策決定会合が予定されています。

【制度・政策】

米国のスコット・ベッセント財務長官が、5月11日から3日間の日程で日本を訪問します。滞在中には、高市首相、片山財務相、植田日銀総裁との会談が予定されています。

4. 個別銘柄動向

【半導体・電子部品関連】

・キオクシアホールディングス(285A):買い注文が殺到し、ストップ高買い気配のまま推移しました。時価総額は23兆円台に到達しています。

・アドバンテスト (6857):株価が大幅に上昇し、上場来高値を更新しました。

・東京エレクトロン (8035):株価が大幅に上昇し、上場来高値を更新しました。

・イビデン (4062):ストップ高となりました。米Appleが次世代チップの製造委託先としてIntelなどと協議しているとの報道を背景に、関連銘柄として買われました。

・三井金属 (5706):ストップ高となりました。AIサーバー向けの銅箔需要の拡大が材料視されています。

・村田製作所 (6981):株価が上場来高値を更新しました。同社は14期連続で増配を継続しています。

・TOWA (6315):半導体パッケージの樹脂封止(モールディング)装置において、放熱性を高めるMUF技術を展開しています。京都府のけいはんな学研都市に約70億円を投じて新たな研究開発拠点を新設するほか、インドでの営業・サービス拠点展開を進めています。

・イノテック (9880):半導体テスターを展開しており、主要顧客にキオクシアを持ちます。

【情報通信・ITサービス】

・ソフトバンクグループ (9984):傘下の英Armの株高などを背景にストップ高水準まで買われ、年初来高値を更新しました。

・エムスリー (2413):2027年3月期の純利益見通しを前期比8%増の530億円とし、最大200億円の自社株買いを発表しましたが、株価は下落しました。

・エクスモーション (4394):AIを活用し、自動車などの組み込みソフトウェア設計書を自動生成・品質改善するコンサルティングを展開しています。

・ラクーンホールディングス (3031):企業間ECサイト「スーパーデリバリー」を展開しています。アドバンテッジパートナーズと提携し、転換社債等で資金調達を実施しました。

【化学・素材・電線】

東ソー (4042):2029年を目処に、フッ素樹脂を用いたデータセンター向け光ケーブルの量産を開始すると報じられ、上場来高値を更新しました。

・フジクラ (5803):データセンター関連需要を背景に株価が大幅に上昇しました。

・住友電気工業 (5802):データセンター関連需要を背景に株価が大幅に上昇しました。

・古河電気工業 (5801):データセンター関連需要を背景に株価が大幅に上昇しました。

【機械・精密機器】

・DMG森精機 (6141):2026年12月期の純利益見通しを、従来予想の105億円から150億円へ上方修正しました。データセンターや防衛向け事業が好調に推移しています。

・セイコーエプソン (6724):2026年3月期の純利益は特損計上により下方修正となりましたが、2027年3月期は純利益590億円への回復を見込む見通しを発表しました。

・MK精工 (5906):2027年3月期の純利益見通しが、原材料費やエネルギー価格の上昇を背景に36%減の15億円となることを発表しました。

【小売・消費財・エンターテインメント】

・ワークマン (7564):4月の既存店売上高が前年同月比26.4%増となり、客数および客単価がともに上昇したことで株価が急反発しました。

・ファーストリテイリング (9983):4月の国内ユニクロ既存店売上高が前年同月比10.2%増となり、株価が反発しました。

・サンリオ (8136):子会社からの不適切報酬受領の疑いで特別調査委員会を設置し、決算発表を延期しました。株価は年初来安値を更新しています。

・アシックス (7936):トップアスリート向けの新たなシューズ生産拠点「アシックス・テクニカル・ラボ」を神戸に開設する予定です。

任天堂 (7674):株価が年初来安値を更新しました。

【自動車】

・トヨタ自動車 (7203):決算発表を控える中、株価は年初来安値圏で軟調に推移しました。

・ホンダ (7267):カナダにおけるEV工場建設計画を無期限で凍結する方針を固めたと報じられ、株価は年初来安値を更新しました。

・マツダ (7261):株価が年初来安値を更新しました。

・SUBARU (7270):株価が年初来安値を更新しました。