#39 5月14日(木) 日本時間レポート

1. 株式市場動向

東京株式市場では、前日の米国市場でハイテク株が上昇した流れを引き継ぎ、日経平均株価は一時前日比500円以上上昇し、取引時間中の最高値を更新する場面がありました。しかし、後場に入るとフジクラなどの企業の決算発表を契機とした売りや、国内長期金利の上昇への警戒感から下落に転じ、日経平均株価は前日比618円60銭安の62,654円50銭で取引を終えました。東証プライム市場の売買代金は12兆376億円と過去最高水準に膨らみました。

米国市場では、4月のPPI(卸売物価指数)が市場予想を上回る上昇となったものの、ハイテク株を中心に買いが集まり、NASDAQ総合指数とS&P500種株価指数が過去最高値を更新しました。

2. 為替・金利

【為替市場】

外国為替市場では、米国のインフレ圧力の高まりを背景としたFRBの利上げ観測から、日米金利差を意識した円売りドル買いが優勢となりました。一方で、日本政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、1ドル=157円台後半での推移が続きました。ユーロ円は185円を挟む水準で推移しました。

【金利動向】

米国の債券市場では、4月のPPIが前月比1.4%上昇、前年同月比6.0%上昇と市場予想を大幅に上回ったことを受け、米国30年債の金利が一時5%を超えて上昇し、約11カ月ぶりの高水準を付けました。国内の債券市場でも金利が上昇し、新発10年物国債利回りが一時2.635%に達し、1997年以来約29年ぶりの高水準となりました。日銀の金融政策を巡り、早期の追加利上げに対する警戒感が金利上昇の背景にあります。

3. マクロ環境・政策動向

【地政学リスク・外交】

中国の北京において、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談が開催されました。会談では、貿易、台湾問題が中心に議題として取り上げられました。米国側の訪中団には、ジェンスン・フアンやイーロンマスクなどの米国の主要テクノロジー企業の経営者が同行しています。

【金融政策】

米国では、連邦議会上院がFRBの次期議長としてケビン・ウォーシュ元理事の人事を承認しました。任期満了を迎えるジェローム・パウエル現議長の後任として、第17代議長に就任する予定です。日本国内では、日本銀行の幹部が講演で、景気下振れのリスクが顕在化しない場合は早期の段階での追加利上げが望ましいとの認識を示しました。

【制度・政策】

IMF(国際通貨基金)が発表した財政モニターにおいて、先進国全体で政府債務が拡大傾向にある中、日本の債務残高対GDP比は低下傾向にあり、2031年にかけて改善するとの見通しが示されました。一方で、米国の債務残高対GDP比は悪化が見込まれています。

4. 個別銘柄動向

【電気機器・精密機器】

・ファナック(6954):米国のAlphabet(Google)と自律的に制御するフィジカルAI分野での協業を発表しました。株価は一時15%近く上昇し、上場来高値を更新しました。

・SCREENホールディングス(7735):今期の純利益が前期比20%増の1,100億円になる見通しと、年間配当175円の計画を発表し、株価が上場来高値を更新しました。

・ニデック(6594):製品の品質不正問題が発覚し株価が下落した後、反発する動きを見せました。

・メイコー(6787):生成AIサーバー向けや宇宙向けプリント配線基板の需要増加により、株価がストップ高水準まで上昇しました。

・ユニオンツール(6298):プリント配線基板用ドリルが好調で、株価がストップ高水準に達し上場来高値を更新しました。

・日本マイクロニクス(6871):プローブカードの需要が好調で、株価がストップ高水準まで買われました。

【非鉄金属・電線】

・フジクラ(5803):今期の純利益が前期比0.7%減の1,560億円となる見通しを発表しました。市場予想を下回ったことで株価はストップ安水準まで急落しました。

・三井金属(5706):今期の純利益が前期比18%減の750億円になる見通しを発表し、株価が急落しました。

・古河電気工業(5801):データセンター向けの光ケーブルや冷却部品が好調で、上場来高値を更新しました。

【情報・通信】

・ソフトバンクグループ(9984):前期の純利益が前期比4.3倍の5兆220億円となり、過去最高を更新しました。投資先のOpenAIなどの評価益が寄与しました。

・カプコン(9697):2027年3月期の純利益が前期比6%増の580億円になる見通しを発表しました。新作ゲーム「プラグマタ」が好調です。

・楽天グループ(4755):第1四半期の最終損益が186億円の赤字となりました。

【輸送用機器】

・日産自動車(7201):今期は3期ぶりに最終黒字となる見通しを発表しました。営業利益は3.4倍の2,000億円を見込んでいます。

・本田技研工業(7267):2027年3月期の純利益が2,600億円の黒字に転換する見通しを発表しました。

【不動産・建設】

・三井不動産(8801):今期の純利益が2%増益となる見通しと、発行済み株式の1.4%にあたる自社株買いを発表しました。金利上昇への警戒感から株価は年初来安値を更新しました。

・住友不動産(8830):決算発表後、株価が急落しました。

・大和ハウス工業(1925):今期の純利益が16%減の2,270億円となる見通しを発表しました。建設資材の値上がりなどが影響しました。

・五洋建設(1893):洋上風力発電向けの作業船などへの成長投資として1,000億円を投じる計画を発表しました。

【化学・素材】

・レゾナック・ホールディングス(4004):上期の純利益見通しを前期比93%増の380億円に上方修正し、株価が初めて2万円台に乗せました。

・富士フイルムホールディングス(4901):前期の営業利益が6.1%増となり、今期は4.2%増を見込む決算を発表しました。

【小売・サービス】

・小田急電鉄(9007):2028年に運賃値上げを目指す方針や、自社株買い、株主優待の拡充などを発表し、株価が一時11%高となりました。

・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532):第3四半期の純利益が24%増の939億円となり、過去最高を更新しました。

・三越伊勢丹ホールディングス(3099):決算において市場予想を上回る売上高と営業利益を発表し、年初来高値を更新しました。

【金融】

・三井住友フィナンシャルグループ(8316):今期の純利益が前期比7%増の1兆7,000億円となる見通しを発表しました。1,800億円を上限とする自社株買いと株式分割も併せて発表しました。

【M&A・再編】

・サニーサイドアップグループ(2180):アカツキ(3932)と経営統合で合意し、TOB価格1,320円での買収が発表されました。

・日本ドライケミカル(1909):投資ファンドのカーライルと共同でMBOを実施し、TOB価格3,730円で上場廃止を目指す方針が発表されました。