#43 5月18日(月) 日本時間レポート

1. 株式市場動向

東京株式市場では、日経平均株価が3日続落となりました。朝方から主力株を中心に売りが先行し、一時前週末比1,000円を超える下落となり、61,000円の節目を割り込む場面が見られました。米国のハイテク株安や、国内外における長期金利の上昇が株式市場の重荷となりました。後場にかけては下げ渋る動きを見せたものの、戻りは限定的となり、終値は前週末比590円30銭安の60,815円95銭で取引を終えました。

TOPIX(東証株価指数)やJPX日経インデックス400も揃って下落し、3日続落となりました。また、新興市場においても、東証グロース市場250指数が下落基調で推移し、幅広い銘柄で売りが優勢となる展開が続きました。国内企業の3月期決算発表がほぼ一巡しました。全体として、製造業は増益見通しを示す企業が多く見られた一方で、非製造業は慎重な業績見通しを発表する傾向が確認されました。また、多くの企業が自社株買いや増配などの株主還元策を発表しています。

2. 為替・金利・コモディティ

【為替市場】

外国為替市場では、円安・ドル高の進行が目立ちました。日米の金利差拡大が意識され、ドル円相場は一時1ドル=159円台をつける場面があり、政府・日銀による為替介入が実施されたとみられる時期以来の安値水準となりました。その後も158円台後半から159円近辺での推移が続き、市場では為替介入への警戒感がくすぶる状況となっています。ユーロに対しても円安が進み、ユーロ円は184円台後半での推移が確認されました。

【金利動向】

日米ともに長期金利の上昇が顕著となりました。国内の債券市場では、新発10年物国債利回りが一時2.8%まで上昇し、約29年半ぶりの高水準を記録しました。米国市場においても、10年債利回りが一時4.6%台に乗せるなど、金利の高止まりが続いています。

3. マクロ環境・政策動向

【地政学リスク・外交】

中東情勢を巡る不確実性が継続しています。特にホルムズ海峡の封鎖リスクなどに関連した地政学的な緊張が、エネルギー価格の高止まりを招く要因として市場に意識されています。また、米中首脳会談においては、関税政策や貿易問題などでの明確な歩み寄りや進展が確認されなかったことが報じられました。

【金融政策】

米国のインフレ指標(PPIおよびCPI)の発表を受け、市場が期待していた米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しています。インフレの粘着性が意識されており、高金利環境が長期化するとの見方が強まっています。一方、日本国内においては、インフレ圧力や円安の進行を背景に、日本銀行による追加利上げの可能性が市場で意識され始めています。

【制度・政策】

日本政府が新たな補正予算の編成を検討していると報じられました。ガソリン代や電気代などの補助金の財源として約3兆円規模の予算を想定しており、そのために赤字国債を発行する方針であると伝わっています。この報道が、国内債券市場における金利上昇圧力の一因として受け止められました。

4. 個別銘柄動向

【半導体・電子部品】

・キオクシアホールディングス:1-3月期の営業利益が大幅な増益となり、4-6月期の営業利益見通しも市場予想を大幅に上回る1兆3,000億円程度になる見込みと発表しました。ストップ高買い気配となりました。また、米国でのADS(米国預託証券)上場準備を進めていることも公表しました。

・ソフトバンクグループ (9984):傘下の英Arm(アーム)が半導体設計のライセンス供与を巡り、米連邦取引委員会(FTC)による反トラスト法(独占禁止法)の調査に直面していると報じられ、株価が下落しました。

・荏原製作所 (6361):CMP装置などを手がける精密電子事業の好調が確認されました。

【金融】

・三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306):今期の純利益見通しを前期比11%増の2兆7,000億円と発表し、市場予想を上回りました。併せて1,000億円規模の自社株買いを発表し、株価は上昇しました。

・みずほフィナンシャルグループ (8411):今期の純利益見通しを前期比4%増の1兆3,000億円と発表しました。市場予想をやや下回り、自社株買いの規模が前年から半減の1,000億円にとどまったことが嫌気され、株価は下落しました。

【サービス・情報通信】

・リクルートホールディングス (6098):今期純利益が前期比25%増の6,230億円となる見通しを発表しました。主力の米Indeed(インディード)事業の収益力向上が牽引し、市場予想を上回ったことで株価は急伸しました。

・サイバーエージェント (4751):第2四半期決算は大幅な増収増益で着地しました。通期予想は据え置いています。

・電通グループ (4324):第1四半期の純利益が前年同期比6.4倍となりましたが、自社ビルの売却に伴う特別利益の計上が主な要因です。

・アイドマ・ホールディングス (7373):香港系ファンドのアセンダー・キャピタル・リミテッドが発行済み株式の5%超を保有していることが大量保有報告書で判明し、株価が上昇しました。

・データセクション (3905):2027年3月期の大幅な増収増益見通しを発表し、ストップ高買い気配となりました。AIインフラ事業の本格化などが寄与しています。

・ウェザーニューズ (4825):創業40周年を記念した配当を実施し、年間配当予想を増額修正すると発表しました。

【自動車・機械・鉄鋼】

・トヨタ自動車 (7203):株価が下落しました。

・大同特殊鋼 (5471):持分法適用会社である東北特殊鋼に対して株式公開買付(TOB)を実施し、完全子会社化すると発表しました。

・東北特殊鋼 (5484):大同特殊鋼によるTOB発表を受け、ストップ高となりました。

【商業・医療】

・住友商事 (8053):マダガスカルで展開するニッケル鉱山事業「アンバトビー」からの撤退を発表しました。

これを受けて株価は一時ストップ高水準まで急騰し、過去最大の上昇率を記録しました。

・テルモ (4543):今期純利益が前期比22%増の1,615億円となる見通しを発表しました。また、前期から6円増配となる36円の配当方針を示し、株価は急騰しました。