1. 株式市場動向
日本の株式市場では、日経平均株価が4日連続で下落しました。米国のハイテク株安やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下落を受け、国内でも半導体やAI関連銘柄を中心に売りが広がりました。一方で、TOPIX(東証株価指数)は4日ぶりに反発し、バリュー株や大型株が下支えする形となりました。また、東証グロース市場250指数は上昇して推移しました。
米国市場では、NYダウが上昇した一方で、NASDAQとS&P500は下落し、ハイテク株に売り圧力がかかりました。アジア市場は高安まちまちとなり、韓国のKOSPIが大幅に下落したほか、台湾加権指数も半導体株の売りにより下落しました。上海総合指数と香港ハンセン指数は小幅に上昇しました。
2. 為替・金利
【為替市場】
外国為替市場では、円安ドル高の基調が続いており、一時1ドル159円台をつける場面がありました。過去の為替介入水準である160円付近が上値の抵抗線として意識されている可能性があります。ユーロ円は1ユーロ=185円台前半での取引となっています。
【金利動向】
国内の債券市場では、日本の10年物国債利回りが2.8%まで上昇しました。インフレ懸念や日本銀行の追加利上げ観測に加え、政府の補正予算編成に伴う国債増発への警戒感が背景にあります。
3. マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
中国の北京で米中首脳会談が実施されました。トランプ大統領と習近平国家主席が会談し、通商問題や半導体輸出規制、台湾問題について協議が行われました。両国は台湾海峡での軍事的な衝突を回避する方針で一定の理解を示したものの、関税問題などについては引き続き協議がなされる見通しです。また、9月に習近平国家主席がホワイトハウスを訪問する方針が示されました。
【金融政策】
日本銀行による早期の追加利上げ観測が高まっています。国内のインフレ率が前年同月比で上昇していることや、円安の進行を食い止めるための措置として市場で意識されています。米国の連邦準備制度理事会(FRB)については、卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)が強い結果となったことから、利下げ観測が後退し、政策金利が高水準で維持される可能性が浮上しています。
【制度・政策】
内閣府が発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.5%増、年率換算で2.1%増となり、市場予想を上回りました。2四半期連続のプラス成長となっています。また、日本政府が2026年度の補正予算の編成を視野に入れていることが報じられ、財政拡張に伴う国債発行額の増加が懸念されています。
4. 個別銘柄動向
【半導体・IT関連】
・キオクシアホールディングス(285A):前期決算で純利益が大幅な増益となり、次期以降も強気な業績見通しを発表しました。前日はストップ高となりましたが、本日は利益確定売りが優勢となりました。
・フジクラ(5803):2029年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、営業利益3150億円、ROE28.5%などの目標を掲げました。市場予想を下回ったと受け止められ、株価は急落しました。
・ソフトバンクグループ(9984):純利益が5兆円を超える好決算を発表しましたが、米国のハイテク株安の影響を受け、株価は下落しました。
・東京エレクトロン(8035):米国の半導体株安の流れを受け、株価は下落しました。
・アドバンテスト(6857):米国の半導体株安の流れを受け、株価は下落しました。
【金融】
・三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):中期経営計画でROEの目標値を12%程度に引き上げ、上限1000億円の自社株買いを発表しました。日銀の追加利上げ観測も追い風となり、株価は2008年以来の高値を更新しました。
【食品・小売・ヘルスケア】
・ニッスイ(1332):冷凍食品のワンプレート商品などの販売が好調で、2027年3月期の純利益が過去最高を更新する見通しを発表しました。
・ニチレイ(2871):冷凍食品の需要拡大に伴い、子会社が運営する冷蔵倉庫の稼働率が高水準で推移しています。
・トライアルホールディングス(141A):決算において売上高は増加したものの、人件費の増加等による利益率の低下が懸念され、株価は下落しました。
・キリンホールディングス(2503):アトピー性皮膚炎治療薬候補の開発中止を発表した子会社の協和キリンに対し、完全子会社化や事業再編の観測が報じられています。
【建設・不動産】
・五洋建設(1893):新たな中期経営計画を発表し、国内の建築事業の売上高を8000億円に拡大する目標を掲げました。また、洋上風力発電の基礎工事など再生可能エネルギー分野への投資を強化しています。
・LIXIL(5938):中東情勢の影響などによる原材料費やエネルギー価格の高騰を受け、8月からトイレや窓サッシなどの住宅設備機器を平均5~13%値上げすると発表しました。
【その他】
・大和証券グループ本社(8601):蓄電所事業への参入を発表しました。2032年までに約1000億円を投資し、データセンター向けの電力需要が高まる北海道で2027年秋から大規模な蓄電所を稼働させる計画です。
・ウェザーニューズ(4825):業績が好調に推移していることから、期末配当を従来予想から5円増額し、記念配当を追加すると発表しました。連結配当性向100%を目安にする方針が好感され、株価は上昇しました。
・ジモティー(7082):カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)による完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買付)が発表され、株価はストップ高となりました。
・ニデック(6594):中国におけるイーアクスル事業の合弁解消に向けた協議を開始したことが報じられました。