株式市場動向
米国の主要株価指数はまちまちの展開となり、S&P 500とナスダック総合指数が過去最高値を更新した一方で、ダウ工業株30種平均は下落しました。ダウ工業株30種平均は118.02ポイント(0.23%)下落し、50,461.68で取引を終えました。S&P 500は45.65ポイント(0.61%)上昇して7,519.12となり、ナスダック総合指数は312.21ポイント(1.19%)上昇の26,656.18で引けました。米国市場はメモリアルデーの祝日による休場明けの取引であり、市場を牽引したのは人工知能(AI)ブームを背景としたメモリーチップ関連企業の株価急騰でした。特にMicron Technologyの株価が急伸し、時価総額が初めて1兆ドルを突破したことが、PHLX半導体株指数の日中最高値更新やテクノロジーセクター全体の上昇に寄与しました。また、米国とイランの停戦およびホルムズ海峡の再開に向けた和平合意への期待が高まったことで原油価格が下落したことも、市場心理の改善を後押ししました。
東京株式市場では、日経平均株価が4営業日ぶりに反落しました。前日に初の6万5,000円台を突破し、直近3日間で約5,300円の上昇を見せて史上最高値を更新していたことから、半導体関連銘柄などを中心に利益確定の売りが優勢となりました。終値は前日比162円10銭安の64,996円90銭でした。朝方は欧州株高などを背景に買いが先行し、一時150円ほど上昇する場面がありましたが、その後はマイナス圏に沈み、下げ幅は一時500円を超えました。TOPIX(東証株価指数)も前日に最高値を更新した反動が出たものの、終値は0.1%安と小幅な下落にとどまりました。JPX日経インデックス400、東証グロース市場250指数もそれぞれ4営業日ぶりの反落となっています。東証プライム市場の売買代金は概算で9兆8,000億円となり、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数をやや上回りました。セクター別では、これまで調整が続いていた建設や不動産、情報通信、電力・ガスなどが上昇した一方、医薬品、非鉄金属、卸売、精密機器などが下落しました。
為替・金利・コモディティ
【為替市場】
ニューヨーク午後の取引において、日本円は1米ドル=159.33円で取引され、イランでの戦争勃発前の156円近辺から円安水準で推移しました。スリランカでは、Nandalal Weerasinghe中央銀行総裁がルピーの過度な下落を抑制するために銀行間市場に介入し、政策金利を1パーセントポイント引き上げました。
【金利動向】
米国の10年国債利回りは7ベーシスポイント低下し、4.47%となりました。また、5年債と30年債の利回り格差は過去1年間で最も縮小した水準となりました。欧州中央銀行(ECB)のOlaf Sleijpen専務理事は、インフレ率を物価目標に回復させるために全力を尽くすと発言し、Isabel Schnabel専務理事は6月に金利を引き上げるべきであると主張しました。ハンガリーの中央銀行は政策金利を欧州連合内で2番目に高い6.25%に据え置きました。ウルグアイの中央銀行も政策金利を5.75%に据え置きました。
【コモディティ市場】
WTI原油先物は3.8%下落し、1バレルあたり92ドルとなりました。ブレント原油先物は3.84%下落し、1バレルあたり96.36ドルで取引されました。銅価格は、AIデータセンターブームによる需要増や、世界第2位の銅鉱山であるインドネシアのグラスベルグ鉱山での土砂崩れによる操業混乱を背景に、記録的な高値で推移しています。同鉱山の1日あたりの銅生産量は来年にかけて数万トン減少する見通しです。スポット金価格は1.12%下落し、4519.8ドルとなりました。
マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
米軍はイラン南部のミサイル発射施設と機雷敷設艇を標的とした自衛目的の攻撃を実施し、これに対しイランのイスラム革命防衛隊はイラン領空に侵入した米国のF-35戦闘機と複数のドローンに向けて発砲し、MQ-9リーパーを撃墜したと主張しました。Donald Trump米大統領は、停戦延長とホルムズ海峡再開に向けたイランとの交渉は「順調に進んでいる」と述べる一方で、協議が決裂した場合には軍事行動をとる準備があると警告しました。Marco Rubio米国務長官は、合意には数日を要する可能性があると発言しました。イランのMojtaba Khamenei最高指導者は、中東の米国軍事基地はもはや安全ではないと宣言しました。
【金融政策】
米連邦準備制度理事会(FRB)では、新たに就任したKevin Warsh議長がインフレ対応の課題に直面しています。元ニューヨーク連銀総裁のBill Dudley氏は、FRBが5年以上にわたって2%のインフレ目標を達成できておらず、インフレファイターとしての信頼を失う危険性があると警告しました。同氏は、AI主導の投資ブームや米国政府の債務水準の上昇により中立金利が構造的に高くなっている可能性を指摘し、現時点で利下げを行う根拠は非常に弱いと主張しました。
【制度・政策】
米国最高裁判所は、カリフォルニア州とワシントン州が不法移民に対して商業用運転免許証を容易に取得させているとしてフロリダ州が直接訴えを起こすことを却下しました。米国政府は、連邦倒産法第11条の適用を申請した自動車部品サプライヤーのFirst Brandsに対し、中国からの輸入品の価値を過少申告して関税を逃れたとして、未払い関税と罰金を含め2億8,550万ドルの支払いを求める請求をデラウェア州の破産裁判所に提出しました。ローマ教皇Leo XIV世は、初の回勅「Magnifica Humanitas」を発表し、人工知能の軍事利用の放棄(武装解除)と厳格な規制を求め、一部の巨大テクノロジー企業への権力集中がもたらす危険性について警告しました。
米国個別銘柄動向
【半導体・テクノロジー】
- Micron Technology (MU): 株価は19.29%上昇し、過去最高値の895.88ドルで取引を終了しました。時価総額は初めて1兆ドルを突破し、WalmartとEli Lillyを抜いて米国企業で10番目の規模となりました。UBSがAI需要によるメモリ市場の構造変化を理由に、目標株価を535ドルから1,625ドルへと大幅に引き上げたことが背景にあります。
- Qualcomm (QCOM): 中国のByteDanceとの間で、AIデータセンター向けのASICチップを数百万個供給する契約を締結しました。この発表を受け、株価は日中で最大8.3%上昇し、過去最高値を更新しました。
- Xiaomi: 第1四半期の純利益が前年同期比57%減の47億2,000万人民元(6億9,500万ドル)に落ち込み、売上高も11%減の990億人民元となりました。世界的なメモリーチップの価格高騰がスマートフォンの利益を圧迫しました。
- Nokia: 株価は今年に入り140%以上上昇し、2008年以来の高値を記録しました。AIデータセンターで使用される光通信機器の需要増加と、Nvidiaによる10億ドルの出資により、AIインフラ関連銘柄としての評価が高まっています。
【自動車・小売】
- AutoZone (AZO): 第3四半期の売上高が48億4,000万ドルとなり、アナリスト予想の48億6,000万ドルを下回りました。これを受け、株価は約5%から8.89%下落し、3,103.69ドル近辺で推移しました。
- Ferrari (RACE): 初の完全電気自動車(EV)である4ドア5人乗りの「Luce」を55万ユーロ(64万ドル)で発表しましたが、市場や批評家からの反応は冷ややかで、株価はミラノ市場で約7.8%、ニューヨーク市場で約4.6%下落しました。
【エネルギー・ヘルスケア・その他】
- BP (BP): 取締役会は、ガバナンス基準や監督、行動に関する「容認できない」重大な懸念を理由に、Albert Manifold会長を即時解任しました。暫定会長にはIan Tyler氏が任命され、株価はロンドン市場で9.3%下落し500.0ペンスとなりました。
- Eli Lilly (LLY): 帯状疱疹、エプスタイン・バール・ウイルス、ブドウ球菌感染症などのワクチンを開発するCurevo、LimmaTech Biologics、Vaccine Companyの3社を最大40億ドルで買収すると発表しました。
- American Airlines Group: 2027年初頭から、新規導入するAirbus A321neoおよびA321XLRを含む500機以上のナローボディ機にSpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」を搭載する計画を発表しました。
- Quantinuum: Honeywell Internationalの支援を受ける同社は、米国での新規株式公開(IPO)を通じて2,105万株を1株45〜50ドルで販売し、最大10億5,000万ドルを調達する計画の目論見書を米国証券取引委員会に提出しました。
日本個別銘柄動向
【半導体・電子部品】
・キオクシアホールディングス (2850):前日に上場来高値(65,790円)を更新後、26日は利益確定売りに押されて下落しました。
・富士電機 (6504):データセンターのサーバー冷却に係る電力消費を85%削減する新技術を開発したと報じられました。
・日東紡績 (3110):6月末を基準日として、1株につき5株の割合で株式分割を実施すると発表しました。
・ティラド (7236):6月末時点での株式分割(1株を10株)を発表しました。
・芝浦機械 (6104):今期の純利益が前期比94%増の20億円となる見通しを発表しましたが、市場予想の39億円を下回りました。
・日産化学 (4021):今期の純利益が前期比4%増の515億円となり、過去最高を更新する見通しです。 ・旭化成 (3407):今期の連結純利益が前期比0.8%増、営業利益が7.3%増となる見通しです。
・ADEKA (4401):今期の営業利益が12.5%増、純利益が3.4%増となる見通しです。 ・四国化成ホールディングス (4099):第1四半期決算で営業利益が前年同期比40%増、純利益が18%増となりました。
・住友ベークライト (4203):今期の営業利益が5.7%増、純利益が1.7%増となる見通しです。
・FIG (4392):子会社が台湾企業と共同で、先端AI半導体の検査工程に使用される自動化装置を開発したと発表しました。
【情報通信・IT】
・ソフトバンクグループ (9984):投資先のOpenAIの上場申請に向けた準備観測が報じられる中、株価は一時8,000円台に乗せて上場来高値を更新しました。
【小売・消費】
・セブン&アイ・ホールディングス (3382):北米事業において不採算店舗の整理などを進めていることが報じられました。
・コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス (2579):500mlペットボトルの希望小売価格を220円に引き上げると発表しました。
・ヤクルト本社 (2267):乳酸菌飲料「ミルミル」「ミルミルS」の希望小売価格を引き上げると発表しました。
・ダイドーグループホールディングス (2590):第1四半期の連結決算で売上高が4.3%増の552億円となり、営業利益が15億円の黒字、純利益が1億円の黒字に転換しました。
【医薬品】
・エーザイ (4523):2029年3月期までの3カ年計画で、創薬やパイプライン構築などに1兆円規模の投資を行う方針を発表しました。
【その他】
・西武ホールディングス (9024):3Dインベストメント・パートナーズが同社株式を買い増したことが変更報告書で明らかになりました。