株式市場動向
6月16日の米国株式市場では、原油価格の下落によってインフレ懸念が後退し、景気敏感株を多く含むダウ工業株30種平均が上昇する一方、半導体株を中心とするテクノロジー株の売りがS&P500種株価指数とナスダック総合指数を押し下げました。ダウ工業株30種平均は328.64ドル高、率にして0.64%上昇し、51,999.67ドルで取引を終了しました。取引時間中には52,190ドルまで上昇し、初めて52,000ドルを上回りました。終値としても過去最高値を更新しました。S&P500種株価指数は42.94ポイント安、率にして0.57%下落し、7,511.35で終了しました。ナスダック総合指数は307.60ポイント安、率にして1.15%下落し、26,376.34で終了しました。S&P500種株価指数とナスダック総合指数はいずれも、ポイントおよび騰落率の両面で6月10日以来の大幅な1日下落となりました。VIX指数は16.41となり、1.3%上昇しました。
市場では、米国とイランの暫定合意によってホルムズ海峡からの原油供給が回復するとの見方が広がり、原油価格が3カ月ぶりの水準まで下落しました。エネルギー価格の低下が物価上昇圧力を和らげる材料となり、金融、一般産業、消費関連など、実体経済との連動性が高い銘柄が買われました。一方、前日まで上昇が集中していた半導体株では利益確定売りが広がり、指数間の方向性が分かれました。
Bank of Americaのグローバル・ファンドマネジャー調査では、回答者の80%が半導体株を最も集中した買い持ちポジションと認識していました。フィラデルフィア半導体株指数は前日に5.45%上昇して過去最高値を更新し、iShares Semiconductor ETFは年初来で99%上昇していました。調査対象者の現金比率は3.9%から4.1%へ上昇し、今後12カ月以内に連邦準備制度が利上げすると予想する回答者の比率は16%から40%へ上昇しました。
英国市場では、FTSE100種総合株価指数がロンドン時間午前11時時点で0.6%上昇し、10,490.35となりました。FTSE250種総合株価指数は0.1%下落しました。銀行株指数は1.7%上昇し、HSBCは1.6%、Barclaysは2.1%上昇しました。航空宇宙・防衛株指数は2.4%上昇し、Rolls-Royceは2.5%、BAE Systemsは2.2%上昇しました。
為替・金利・コモディティ
【為替市場】
米ドルは、米国の住宅着工件数と輸入物価の発表後も、主要通貨で構成される通貨バスケットに対しておおむね横ばいで推移しました。6月16日に日本政府や日本銀行が円買いまたは円売り介入を実施したとの発表はありませんでした。
エチオピアでは、エチオピア国立銀行が6月16日に1億ドルの特別外貨入札を実施し、2億3,600万ドルの応札を受けました。2026年に実施した外貨入札の累計額は20億2,000万ドルとなりました。1カ月前に実施した5億ドルの入札では、農業および石油業界からの需要を背景に、売却予定額の2倍に相当する応札がありました。エチオピア・ブルは、並行市場で1ドル当たり約185ブル、公式市場で1ドル当たり159ブルとなり、並行市場では最大14%のディスカウントで取引されました。国内の一部地域では1ドル当たり178ブルから180ブルで取引されました。国際通貨基金は、エチオピアの外貨準備高が当会計年度末に56億ドルへ増加するとの数値を示しました。
【金利動向】
米国市場では、取引開始前の米国10年国債利回りが4.44%へ低下しました。米国住宅着工件数と輸入物価の発表後、米国債利回りは全体として低下しました。連邦公開市場委員会は6月16日に2日間の金融政策会合を開始しました。政策金利の誘導目標は3.50%から3.75%であり、金利スワップ市場では6月会合での据え置きがほぼ完全に織り込まれていました。一方、スワップ市場は2027年1月会合までに0.25ポイントの利上げが完全に実施される水準を織り込んでいました。連邦準備制度の政策金利に連動する担保付翌日物調達金利オプションでは、前週の取引量が通常より最大50%増加しました。年末までに1回以上の利上げを想定するポジションと、年末までに1回または2回の利下げを想定するポジションが併存しました。JPMorganの米国債顧客調査では、6月15日までの1週間に買い持ちポジションが3ポイント減少し、中立ポジションへ移行しました。長期国債先物のオプション市場では、国債価格の下落をヘッジするプットに高いプレミアムが付く一方、短期および中期ゾーンの歪みは中立に近い状態でした。
欧州中央銀行のチーフエコノミストであるフィリップ・レーンは、中東で4カ月間エネルギー価格が上昇した影響により、今後公表されるインフレ率が3%を上回るとの認識を示しました。エネルギー価格の影響が、2026年から2027年にかけて食品、財、サービスへ波及すると説明しました。レーンは、原油先物曲線が今後数年間にわたり1バレル80ドルから81ドル付近でほぼ水平になっていると述べました。
欧州中央銀行政策委員会メンバーでスペイン銀行総裁のホセ・ルイス・エスクリバは、生産設備やエネルギー供給能力の復旧に必要な規模と期間を市場が十分に織り込めているかは不確実だと述べました。
アイルランド中央銀行総裁のガブリエル・マクルーフは、米国とイランの合意によって紛争が終了しても、供給網の正常化やエネルギー価格の調整が直ちに完了するわけではないと述べました。戦争によるインフラ損傷によって生産回復が遅れる場合、直接的な価格上昇圧力が長引く可能性があると説明しました。
フランス銀行総裁のエマニュエル・ムーランは、欧州中央銀行による前週の利上げについて、必要だが慎重な措置だったと述べました。同時に、政策委員会では新たな連続利上げ局面の開始を示すものではないとの合意があり、今後も会合ごとに経済データを確認して判断すると説明しました。
民間信用市場では、KBRA DLD Direct Lending Indexに含まれる借り手の過去12カ月間のデフォルト率が2.3%となり、約3年前の指数算出開始以降の最高水準に並びました。民間信用市場全体の規模は1兆8,000億ドルとされました。
【コモディティ市場】
北海ブレント原油は1バレル80ドルを下回り、3月初旬以来の安値となりました。ロンドン市場では一時3.9%下落しました。米国原油先物は5.11%下落しました。米国市場の取引開始前には、ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油が約3%下落し、1バレル約78ドルで取引されました。ブレント原油は3月に1バレル118ドルを上回っていましたが、米国とイランが暫定合意を発表したことで、ホルムズ海峡を通じた供給回復とイラン産原油の市場復帰が意識されました。世界の原油指標価格は、合意が発表された日曜日以降に約7%下落しました。その前週にも6%下落していました。
ロシアの原油輸出は、6月14日までの4週間平均で日量383万バレルとなり、2026年の最高水準を維持しました。年初来平均は日量349万バレルで、ロシアによるウクライナ侵攻開始後の各年平均を上回りました。6月14日までの1週間には36隻のタンカーが2,672万バレルを積載し、日量平均は382万バレルとなりました。前週は37隻、2,724万バレル、日量389万バレルでした。
海上輸送中のロシア産原油は1億2,000万バレルを上回り、4月中旬の安値から約25%増加しました。5月のロシア原油生産量は日量901万バレルで、石油輸出国機構と同盟国による生産目標を日量69万バレル下回りました。ロシア産ウラル原油の4週間平均価格は、バルト海積みが4.10ドル下落して1バレル78.11ドル、黒海積みが3.90ドル下落して77.26ドルとなりました。ESPO原油は4.30ドル下落して87.30ドル、インド向け着荷価格は5.30ドル下落して99.21ドルとなり、3月以来の安値となりました。
米国天然ガス先物は0.1%上昇し、100万英国熱量単位当たり3.151ドルとなりました。LNG輸出設備向けの原料ガス流入量の回復と気温上昇予報が価格を支えました。一方、テキサス沿岸で発生する可能性がある暴風雨が、短期的な需要とLNG出荷を抑える要因となりました。欧州天然ガス価格は米国とイランの枠組み合意後に大幅に下落しましたが、戦争前の水準を上回りました。ホルムズ海峡の封鎖によって、市場への天然ガス供給は毎月約100億立方メートル失われていました。カタールの生産能力の約20%は数年間にわたり制約を受ける可能性があり、増産計画にも遅延の可能性があるとされました。
ペルシャ湾岸地域の5月の穀物輸入量は94万2,000トンとなり、前年同月から50%以上減少しました。平常時には1日20隻を超えるドライバルク船が湾岸へ出入りしていましたが、6月16日時点では平均約3隻にとどまりました。湾岸地域は食料消費の約90%を輸入に依存しており、ホルムズ海峡再開後には在庫補充需要が発生する一方、通航待ち船舶による港湾混雑が見込まれる状況でした。肥料市場では、世界の硫黄供給量の5分の1がホルムズ海峡を通過していました。Mosaicが受け取るリン酸肥料価格は1トン当たり約800ドルでしたが、その約半分が加工費、輸送費、人件費を含める前の硫黄調達費となっていました。同社は3月30日までの四半期に2億5,800万ドルの損失を計上し、一部工場で生産を減速させました。ニューオーリンズ港の尿素価格は戦争開始後にほぼ2倍へ上昇した後、戦争前に近い水準まで低下しました。米国ではトウモロコシ価格が1ブッシェル約4.50ドル、大豆価格が約11.50ドルとなり、肥料価格上昇と農産物価格下落が同時に進みました。
金については、World Gold CouncilとYouGovによる74中央銀行への調査で、45%が今後1年間に金準備を増やす方針を示しました。保有量を減らす方針を示した中央銀行は1行でした。
マクロ環境・政策動向
【地政学リスク・外交】
米国とイランは、戦争の終結とホルムズ海峡再開に向けた14項目の暫定合意案をまとめ、6月19日にスイスで署名する予定となりました。合意案は60日間の交渉期間を設定し、イランの核開発、制裁解除、戦争の恒久的な終結に関する最終合意を目指す内容です。ただし、6月16日時点で両国は正式な文書を公表しておらず、技術的な文言は署名前に変更される可能性があるとされました。合意案では、米財務省が署名直後にイラン産原油、石油化学製品および関連製品の輸出を認める制裁免除を発行します。米国はイラン港湾に対する海上封鎖を解除し、両国はホルムズ海峡の交通量を30日以内に戦争前の水準へ戻すために協力します。
米国と地域の協力国は、イランの復旧と経済開発に対して少なくとも3,000億ドルの資金を確保する計画を策定します。イランの凍結資産については全面的に利用可能にすると記載されましたが、解除時期は示されませんでした。米国側の関係者は、直ちに認められる原油販売が、すでに船舶へ積載済みの原油に限られるとの理解を示しており、広範な輸出再開を意味するかについて双方の認識が一致していませんでした。
核問題については、イランが核兵器を製造しないことを確認し、濃縮ウランの処理方法を最終合意で決定するとされました。米国による対イラン制裁の全面解除は、今後60日間の交渉を経た最終合意の成立を条件としています。米軍は最終合意成立後30日以内に周辺地域から撤退するとされました。
ドナルド・トランプ大統領はホルムズ海峡が通行料なしで開放されると述べました。一方、イラン側は60日間は通行料を徴収せず、その後は安全、航行、環境、保険サービスに対する料金を徴収する可能性を示しました。JD・バンス副大統領は、暫定文書が約1ページ半の一般的な内容であり、多くの問題を技術交渉段階で決める必要があると説明しました。
戦争開始前の12カ月間には、ホルムズ海峡を双方向に通過するコンテナ船が1日平均21隻確認されていました。戦争開始後の通過は合計23隻にとどまり、6月8日以降は1隻も通過していませんでした。海峡の両側では数十隻の船舶が通航を待っていました。
米軍が商船をオマーン沿岸の南側航路へ誘導する制度では、200回を超える通航が成功し、実際に攻撃へ至った事例は5件未満でした。人命または船舶が失われた事例はありませんでした。米軍の支援を希望する船舶は24時間から36時間前に申請し、通航中は自動船舶識別装置を停止するよう求められました。夜間通航が推奨される一方、昼間通航も可能とされました。
Hapag-Lloydはペルシャ湾内の4隻を週末に通航できる状態にする一方、安全が確認されるまで実際には通航させない方針を示しました。Maerskは地域での運航を変更しておらず、Mitsui O.S.K. Linesは政府および保険会社との緊密な調整が必要だと説明しました。
欧州の外交当局者は、エネルギー、商品および一般貨物の通航が数日で正常化することは現実的ではないとの認識を示しました。米政府高官も、船舶通航が大きく増加するまで最長2週間、戦争前の水準へ戻るまでにはさらに長い期間が必要になる可能性を示しました。
イスラエルでは、イタマル・ベン・グビル国家安全保障相が、イスラエルは合意の当事国ではなく、安全保障上の義務も負わないと表明しました。合意案にはレバノンを含む全戦線での戦争終結が記載されており、実施にはベンヤミン・ネタニヤフ首相の同意が必要とされました。
北大西洋条約機構では、米国が欧州防衛向けに提供する戦略爆撃機を30%削減する計画が示されました。このほか、偵察・攻撃用無人機を最大100%、艦艇を約半分、戦闘機を約3分の1削減する計画が示されました。フランス軍のティエリー・プレット将軍は、戦闘機や無人機については欧州諸国の同等装備で一部を補完できると述べましたが、欧州が保有していない米国の戦略爆撃機を代替する明確な計画は示されませんでした。米国防長官のピート・ヘグセスは、北大西洋条約機構加盟国に対し、国防費を国内総生産の5%へ引き上げ、防衛産業の生産能力を高め、欧州大陸の通常戦力による防衛について主たる責任を負うよう求める方針を示しました。
ウクライナは6月に少なくとも6カ所のロシア製油所を攻撃しました。直近ではモスクワ製油所と、モスクワから800キロメートルを超える距離にあるタタールスタン共和国の2カ所の製油所が攻撃を受けました。精製能力の低下により、ロシア国内で処理できない原油が輸出へ回ったことが、原油出荷増加の一因となりました。
【金融政策】
連邦準備制度では、ケビン・ウォーシュ議長の下で初めてとなる連邦公開市場委員会が6月16日に開始されました。ドナルド・トランプ大統領は利下げを求めていましたが、金利市場では6月会合での政策金利据え置きがほぼ完全に織り込まれていました。
米国の5月輸入物価指数は前月比1.9%上昇し、前年同月比では6.7%上昇しました。前年同月比の上昇率は約4年ぶりの大きさでした。輸入燃料価格は前月比12.5%、プラスチック材料は6.5%、コンピューター、周辺機器および半導体は3.6%、資本財は1.3%上昇しました。食品とエネルギーを除く輸入物価は1.0%上昇し、輸入食品は0.1%下落しました。自動車、部品およびエンジンは0.3%、自動車を除く消費財は0.5%上昇しました。
米国の5月住宅着工件数は前月比15.4%減少し、年率換算117万7,000戸となりました。6年ぶりの低水準です。集合住宅のうち5戸以上の物件は41.6%減少して28万4,000戸、一戸建て住宅は1.9%減少して88万2,000戸となりました。一戸建て住宅の着工は前年同月比6.7%、住宅着工全体は8.7%減少しました。
住宅建設許可件数は前月比0.7%減少して年率換算141万3,000戸となりました。一戸建て住宅の許可件数は0.6%増加して88万6,000戸となりました。住宅ローン金利はイラン戦争開始以降に0.50ポイントを超えて上昇しており、建築資材価格、住宅在庫、用地不足および労働力不足が住宅建設を抑えていました。
米国の5月製造業生産は、4月の0.7%増から横ばいとなりました。鉱業と公益事業を含む鉱工業生産全体は0.1%増加しました。
フランス銀行は2026年の実質成長率見通しを0.9%から0.5%へ0.4ポイント引き下げました。0.5%は新型コロナウイルス流行期を除き10年以上で最も低い成長率となります。フランス銀行の5月企業調査では、第1四半期の小幅な縮小に続き、第2四半期も停滞する状況が示されました。
フランス銀行は2026年のインフレ率見通しを3月時点の1.7%から2.5%へ引き上げました。5月に値上げを実施した企業の割合は14%で、4月の18%を下回ったものの、通常の約2倍でした。財政赤字については、追加的な支出抑制策がなければ国内総生産比5.2%となり、政府目標の5%を上回るとしました。
【制度・政策】
欧州議会は、米国と欧州連合が2025年に合意した貿易協定の主要部分を承認しました。欧州連合は米国製の機械、部品などの工業製品とロブスターへの関税をゼロにし、一部の米国産農産物への関税も引き下げます。米国では多くの欧州製品に対する関税が約15%に維持され、一部では15%を超える可能性があります。
欧州連合加盟国による最終承認は残っていますが、欧州議会の採決により手続きは事実上最終段階に入りました。米国が協定内容を履行しない場合には一部措置を停止できる条項が盛り込まれ、一部の措置は更新されなければ2029年末に失効します。トランプ大統領は協定が7月4日までに完了しなければ、欧州製品への関税を大幅に引き上げると警告していました。また、フランスのデジタル課税を理由に、フランス産ワインとシャンパンへ100%の関税を課す可能性を示していました。
米国議会では、上下両院の指導部が包括的な住宅法案で合意しました。法案は機関投資家による一戸建て住宅購入を制限しますが、賃貸用住宅を7年以内に売却させる案は削除されました。銀行規制緩和策、労働組合が支持する賃金要件、災害復旧制度を3年後に終了させる条項も含まれました。また、連邦準備制度が2030年まで中央銀行デジタル通貨を開発することを禁止します。
米商務長官のハワード・ラトニックはAnthropicに対し、Fable 5とMythos 5を外国人へ提供する場合、所在国を問わず商務省の個別認可を取得するよう命じました。違反した場合の刑事および民事上の制裁も警告しました。Anthropicは指示を受け、両モデルへのアクセスを全面的に停止しました。
米商品先物取引委員会は、米国の投資家が利用できる外国取引所について、リスク管理体制の正式な審査を開始する方針を示しました。審査対象にはLondon Metal ExchangeやTokyo Commodity Exchangeなどが含まれ、外国取引所制度が金融危機後に導入されて以来、初めての正式審査となります。
トランプ大統領は国防生産法を発動し、イラン戦争で減少した弾薬備蓄を補充するため、ピート・ヘグセス国防長官に対して防衛企業との自主協定および行動計画を策定するよう命じました。大統領令では、弾薬産業基盤に構造的な制約が存在すると説明されました。
世界銀行理事会は、アルゼンチンが民間銀行から調達する最大20億ドルの融資に対する保証を承認しました。国際復興開発銀行と多数国間投資保証機関が融資額の95%を保証します。融資期間は6年、据え置き期間は3年です。アルゼンチンには既存の200億ドルの国際通貨基金プログラムがあり、米州開発銀行も5億5,000万ドルの保証を検討しています。
米国からキューバへの輸出は5月中旬までに2025年通年の約3倍へ増加しました。2月以降、ディーゼル燃料275件以上、ガソリン82件を含む350件を超える燃料タンクが輸出されました。米商務省のSupport for the Cuban Peopleと呼ばれる例外規定により、民間向けと申告された商品は個別免許なしで輸出できました。5月初旬までの出荷件数は3,300件に達し、自動車、米、砂糖、冷凍鶏肉、家具、部品などが含まれました。
米国個別銘柄動向
【テクノロジー・AI】
・SpaceX (SPCX):株価は6月16日に4.83%上昇し、上場後3営業日連続で上昇しました。終値は情報提供会社によって201.68ドルまたは201.80ドルとされ、市場価値は約2兆6,000億ドルとなりました。公募価格135ドルからは49.5%上昇しました。取引時間中には225.64ドルまで上昇し、時価総額が一時3兆ドルに接近しました。
・Meta Platforms (META):Threadsの月間利用者数が5億人へ到達したと発表しました。1日当たりの利用者数も前年から増加しました。韓国での総利用時間は前年同期比80%以上増加し、BTSのアカウントは開設から数日で420万人を超えるフォロワーを獲得しました。
・Nvidia (NVDA):250億ドルの社債発行後、7年債の流通市場での取引額が12億ドルに達しました。7種類の社債はいずれも6月16日午前中に70件を超える取引が成立しました。発行時の需要は最大850億ドルに達しました。2年債のスプレッドは20ベーシスポイントから18ベーシスポイント、5年債は35ベーシスポイントから33ベーシスポイントへ縮小しました。30年債は65ベーシスポイントから67ベーシスポイントへ拡大しました。
・Marvell Technology:株価は2026年に263%上昇し、6月4日に時価総額約2,770億ドルで過去最高値を付けた後、6月15日終値までに2.4%下落し、時価総額は2,700億ドルとなりました。6月22日にS&P500種株価指数へ採用される予定です。Nvidiaは3月末にMarvellへ20億ドルを出資し、AI向け半導体、ネットワーク機器およびシリコンフォトニクスの共同開発で合意しました。
・Anthropic:米商務省からFable 5とMythos 5の外国人への提供を停止するよう指示を受け、両モデルへのアクセスを全面停止しました。ハワード・ラトニック商務長官は、外国人への提供には世界のどの地域でも個別認可が必要だと通知しました。Anthropicの直近評価額は9,000億ドルを超えており、同社は新規株式公開を非公開で申請していました。
・Databricks:データウエアハウス事業の年率換算売上高が過去1年間で2倍以上となり、15億ドルへ達しました。2026年2月の資金調達時の企業価値は1,340億ドルで、会社全体の年率換算売上高は54億ドル、AIモデルを利用する顧客からの売上高は14億ドルとされました。
・Snowflake:4月終了四半期の売上高が前年同期比33%増加し、約3年で最大の増収率となりました。株価は直近1カ月で50%以上上昇しました。
・Microsoft (MSFT):QualcommのX2チップを搭載したSurface ProとSurface Laptopを発表しました。Surface Proは1,499ドル、Surface Laptopは1,599ドルから販売されます。Surface Proのグラフィックス性能は前世代比最大53%、Surface Laptopは最大58%向上しました。
・Plaud:2026年のハードウエアおよび定額サービス売上高として5億ドルを見込むと発表しました。年次経常収益は5月に1億ドルを超え、利用者数は200万人を超えました。米国、日本、欧州が事業全体の約80%を占めます。2026年後半にはAIエージェントと連動する新型ウエアラブル端末を投入する計画です。
・Snap:2,195ドルの拡張現実眼鏡Specsを発表しました。同社は従業員の16%を削減しており、株価は2026年に約30%下落していました。
・Hewlett Packard Enterprise:AI推論向けの新型ネットワークスイッチを発表し、Siemens EnergyがNvidiaと共同開発したAI技術群を導入すると発表しました。Hewlett Packard Enterpriseは前年にJuniper Networksを約130億ドルで買収していました。
・Google:Android 17の提供を開始しました。位置情報を一度だけ許可する機能やLost Modeの制限強化などを導入しました。Gemini Intelligenceなど主要なAI機能は、2026年夏以降にPixel 11シリーズとSamsung Electronicsの新型端末へ順次導入されます。
【通信・メディア】
・Verizon Communications:月額45ドルのSimplicityプランを発表し、開始時の販促期間には月額30ドルで提供します。Verizon Shineと呼ばれる顧客特典制度と3%の還元制度を導入し、40ドルの新規契約手数料および機種変更手数料を廃止します。
・Fox:Rokuを債務込み220億ドルで買収することで合意しました。取引は広告付きストリーミング事業の拡大を目的としています。
・Optimum Communications:260億ドルの債務再編を巡り、債権者が子会社CSC Holdingsの差し押さえや債務株式交換を実行した場合、40億ドルを超える税負担が発生する可能性があると通知しました。2029年満期、表面利率11.75%の21億ドルの社債は額面1ドル当たり60セント強、28億ドルのタームローンB5は約70セントで取引されました。
【金融・暗号資産】
・Ripple:アフリカ35カ国で事業を展開するFlutterwaveへ出資しました。出資後のFlutterwaveの企業価値は33億ドルとなりました。出資額と持分比率は公表されませんでした。
・Binance:欧州連合の暗号資産市場規制に基づく認可をギリシャで申請していますが、6月16日時点で承認を得ていませんでした。暗号資産事業者は7月までに加盟国の少なくとも1カ国で認可を取得する必要があり、Binanceは欧州連合からの事業撤退に備えて顧客への通知準備を進めました。
・Robinhood Markets (HOOD):正社員の10%を削減し、一部の採用予定枠も閉鎖すると発表しました。発表後の時間外取引前には株価が2%上昇しました。
・Rathbones:新規顧客の受け入れを12カ月間停止すると発表し、株価は16.6%下落して1年ぶりの安値となりました。
・SDCL Efficiency Income Trust:事業の段階的な清算を提案し、株価は22%下落しました。
【資源・エネルギー・素材】
・Exxon Mobil:南アフリカのリチャーズベイに計画されるZululand LNGターミナルへ液化天然ガスを供給する予備的合意を締結しました。輸入されたガスは、建設予定の出力3,000メガワットの発電所で使用されます。南アフリカでは発電量の約80%を石炭が占めています。
・Mosaic:硫黄調達費の上昇により、3月30日までの四半期に2億5,800万ドルの損失を計上しました。販売するリン酸肥料は1トン約800ドルですが、その約半分が加工費などを含める前の硫黄調達費となっていました。一部工場の生産を減速させました。
・CF Industries:2026年第1四半期の利益は6億1,500万ドルとなり、前年同期の約2倍となりました。海外の窒素肥料メーカーが天然ガス価格と供給制約を受けて価格を引き上げたことで、同社の販売価格も上昇しました。
・Lumina Metals:ワルシャワ証券取引所への上場初日に株価が一時46%上昇しました。ポーランドの鉱山開発には総額64億ドルを投資し、操業開始後10年間に銅換算で年間平均39万トンを生産する計画です。
・Essar Energy Transition Fuels:International Resources Holdingの商社部門と5億ドルの契約を締結しました。英国Stanlow製油所向けの原油調達と、ガソリンおよびディーゼルなどの石油製品販売を共同で行います。
【一般消費・小売・サービス】
・Yum Brands:Pizza Hutを合計27億ドルで売却すると発表しました。LongRange Capitalが中国本土を除く事業を15億ドルで買収し、Yum China Holdingsが中国本土事業を12億ドルで買収します。
・Dolce & Gabbana:流動性確保と約4億5,000万ユーロの債務借り換えに向け、ミラノ中心部を含む不動産の売却とリースバックを金融機関と協議しました。EssilorLuxotticaとの眼鏡ライセンス契約を2050年まで延長しており、契約価値は最大1億5,000万ユーロとされました。
・Gildan Activewear:空売り投資会社Jehoshaphat Researchが、流通業者への過剰販売によって売上高を前倒し計上していると主張する報告書を公表しました。株価はトロント市場で一時25%下落し、終値は19%安の70.39カナダドルとなりました。Gildanは2026年度見通しを維持し、現在の情報開示は事業の実態を正確に反映していると表明しました。
・GameStop:株主がライアン・コーエン最高経営責任者への最大350億ドルの報酬案について、情報開示が不十分だとして7月7日の株主投票差し止めを求める訴訟を提起しました。報酬の条件は時価総額1,000億ドルと、利払い・税引き・減価償却前利益100億ドルの達成です。
・Amazon (AMZN):米連邦取引委員会が広告主に対する条件や価格の開示を巡り、提訴または和解に向けた訴状案を作成しているとされました。複数の州司法長官も調査に参加しており、民事制裁金が数十億ドルに達する可能性があります。Amazonの広告事業は前年に686億ドルの売上高を計上しました。
【輸送・産業・その他】
・Adani Ports and Special Economic Zone:米国のKalerisと複数年契約を締結し、9港にある15カ所のコンテナターミナルへAI対応の運営システムを導入します。2段階で最大1億ドルを投資し、技術および脱炭素化に総額8億5,000万ドルを投じる計画の一部とします。
・GO:東京証券取引所への上場初日に株価が21%上昇しました。新規株式公開による調達額は886億円で、上場時の時価総額は1,860億円となりました。
・Rackspace Technology:2026年後半から2028年にかけて、世界のデータセンターへAMD製半導体を使用する30メガワットの計算能力を導入すると発表しました。2028年満期の第1順位タームローンは額面1ドル当たり約5セント上昇し、93.5セントから95.5セントとなりました。Rackspace株は約10%上昇し、AMD株は約4%下落しました。Rackspaceは世界の従業員を15%削減する計画も承認しました。
・Edwards Lifesciences (EW):米政府が経カテーテル大動脈弁置換術に関する保険適用案を公表した後、株価は取引開始前に3.1%上昇しました。
・Domo (DOMO):取締役会による検討の結果、株主価値を最大化する手段として戦略的取引が最適だと発表し、株価は取引開始前に13%下落しました。
・Edgewise Therapeutics (EWTX):心疾患向け治験薬の中期臨床試験結果を公表した後、株価は取引開始前に23%下落しました。
・Huntsman (HUN):Olinとの対等な全株式交換による合併で合意し、株価は取引開始前に7%下落しました。Olin株はおおむね横ばいでした。